暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
112話:全力を持って
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を見て魔導士達は顔を強張らせるが、青年はなんと笑みを浮かべた。


「黒いフォーティーンか…」

《奴はこの世界の技術で作られた偽物だ。本物程の力はないにしろ、ここまで戦っているのを見るに、相当なものには違いない》

「この世界の技術…やっぱりスカリエッティと繋がりがあったか」


 誰かと会話するかのように独り言≠言う青年。それは誰にも聞かれることはなかったが、そのままだと内容のよくわからないものだった。
 笑みを浮かべたまま、カードを取り出す。それをいつの間にか腰に巻かれたベルトへと、カードを差し込む。


「変身!」
〈 KAMEN RIDE・DECADE ! 〉


 ベルトから数枚の板が出現、青年の周りには灰色の影が複数並び立つ。
 一歩、また一歩と進んでいく中、灰色の影は青年と一つになり、姿を変化させる。色の付いていないその姿は、数枚の板が仮面にめり込むことで彩られる。

 先程の車体と同じような、黒と白とマゼンタ色で配色された体。緑色になった複眼、額には紫色(・・)が輝く。
 変化しながらも凛として歩くその姿は、その場にいる誰もが知っていた。いつも強大な敵と戦い、人々を守ってきた者……


 ―――世界の破壊者<fィケイドだと。


「あれが…」
「ディケイド…!」


 その姿を始めて生で見る者達もいて、驚きの声を上げている。
 しかしそれが聞こえていても気にしないディケイド。剣を取り出し、フォーティーンを見定める。

 ゆっくりとやってくるディケイドを見て、彼を敵と判断したフォーティーン。棍棒を大きく振り上げ、歩いて来るディケイドへ向かって振り下ろす。
 歩きながらもそれをヒラリと躱す。続いて迫りくる剣も、轟く稲妻すら避ける。その衝撃や余波も勿論あったが、アスカやガイラと違いそれによって体勢が崩れることもなく、次々と繰り出される攻撃を躱していく。


「あぁくそ、鬱陶しいな…」


 本当に面倒くさそうな声色で呟くディケイド。それはあまりに粗雑で、少し前に苦戦していた二人に失礼な気もする発言だ。
 まぁ、それを聞き取っている者はいないのだが……


(しかしまぁ―――こんなもん(・・・・・)か)


 そう心の中で思うと、ディケイドは手に取っていた白い剣―――ライドブッカーを本のように開き、一枚のカードを取り出す。
 それにはベルトやライドブッカーに所々ある、ディケイドの仮面をイメージしたようなマークが描かれていた。

 取り出したカードを、フォーティーンの攻撃を避けつつ、バックル部分へと滑り込ませる。開いていた両側のギミックを、両手で挟み込むようにして戻し、カードを発動する。


〈 FINAL ATTACK RIDE・
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