暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
112話:全力を持って
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、息を整えながら煙の奥へと視線を送っている。
強力な一撃を…渾身の一撃を与えたとはいえ、今まで戦ってきた者達とは明らかに違う敵だ。何が起きるかわからない。だからこそ警戒を怠らないようにする。
少しずつ晴れていく煙。道路の上にうつ伏せのような状態で寝転んでいるような影が煙に映り始め、皆に灯った希望の光は強くなっていく。
起きていないと判断したアスカは少しだけ構えを解き、少しずつ近づいていく。
終わったのか、誰もが少しはその考えが過った―――その瞬間!
「ッ…!!」
「―――アスカッ!」
フォーティーンの目に妖しい光が蘇り、咆哮がビリビリと空気を揺らした。
一番前で受けたアスカは勿論、後ろにいた魔導士達も全員動きが止まる。少しでも灯っていた胸の光が、一気にしぼんでいく。
一瞬呆気にとられたアスカ、その動きが少し止まってしまったのがいけなかった。
起き上がったフォーティーンが腕を振り上げる。その手には巨大な棍棒が。奴がこれから何をするかに気づいたガイラは、パートナーの名を叫びながら駆け出す。
少し構えを解いていたのも影響して、動きに一歩出遅れるアスカ。魔法ではなく自らの身体能力で飛び上り避ける。
だがその速度で起きた風で体勢が崩れる。まともに次の行動ができるものではない。
崩した体勢を立て直そうとしているところに―――フォーティーンが盾を突き出し、シールドバッシュのような攻撃をしてきた。
「くッ―――あッ!」
これは当たる、と思ったその時。
横からの衝撃で急に弾き飛ばされる。フォーティーンの攻撃からは抜け出せたが、何故急に……
衝撃が来た方向に視線を向けると、
「―――ぐッ、あぁ!」
フォーティーンの盾に突き飛ばされた、ガイラの姿があった。
「が、ガイラッ!」
勢いよく吹き飛ばされ、アスファルトを削りながら止まる。体勢を立て直しながら着地したアスカは、すぐにガイラが墜ちた場所へ向きながら叫んだ。
どうやら意識はあるようだが、ダメージでうまく体を動かせないようだ。上半身を起こそうとしては、また仰向けに倒れる。
「今そっちに―――くッ!?」
すぐに駆けだそうとしたが、その目の前に雷が落ちる。走り出そうとした足が止まった隙に、更に剣と棍棒による攻撃が降り注ぐ。
必死に避け続けるアスカだったが、何分先程全力の一撃を放ったばかり。疲労感と倦怠感で体を上手く動かせず、そして残りの魔力量を考えるとヘタに攻撃へと移れない。
フォーティーンを止めなければ、という責任感と、ガイラの無事を確認したい、という焦り。
そんな思いがアスカの動きを硬くしてしまい、遂に……
「がぁ
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