暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
112話:全力を持って
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、新しい影が現れる。


「あれは…?」
「……来た、か…」


 アスカの疑問に士は答えることなく、踵を返し煙に映った影へと向かって歩き出す。
 更に疑問符を浮かべる面々、それを手で抑えそのまま進む。制服の上着を翻し、手に収めていたバックルを腰に当てる。

 煙の奥の影、それが遂に煙から抜け出してきた。
 水色の長髪を頭の高い場所で結ぶ髪型、まぁ所謂ポニーテールに中性的な顔立ち。他の戦闘機人と―――細部が少し違うが、同じようなボディースーツ。

 その表情は…怒りそのものだった。


「―――エクストラ…」
「…ディケイド」


 一度は士を破った敵、戦闘機人エクストラ。
 今までは近くの高層ビルの屋上で、もしディケイドが現れた場合の対策として待機していたのだ。

 先程までの戦闘もずっと見ていた。何もかも自分をイラつかせる、士の部下だった二人の戦闘も、士のディケイドとしての戦いも。
 士に聞き取られないように、小さく舌打ちをする。心の中で沈殿していく負の感情、物事が自分の思った通りにならない。ただ世界を憎み、それを変えたいと思っただけなのに。


「―――交わす言葉はいらない、ここでお終いにしよう」
「いいじゃないか、少しぐらい」


 士の言葉を聞いたエクストラは、更に不機嫌な表情を浮かべて背中に手を回す。
 一瞬の光が輝くと同時に、再び手を前に戻すと……

 その手には、特殊な大型銃が収められていた。
 反対の手には何処からか取り出したカード、それを銃の隙間に差し込む。


〈 KAMEN RIDE ――― 〉
「全力で、潰すッ!」


 それを見た士も、ライドブッカーからカードを取り出し、開かれたバックルの挿入部分に、滑り込ませる。


〈 KAMEN RIDE ――― 〉
「潰されてたまるか。俺にだって、守りたいもんがあるんだからな!」


 そして、その言葉が放たれる。


「「変身!」」

〈 DIEND ! 〉
〈 DECADE ! 〉


 宝石と銃口からそれぞれ発射される板状の物体、同時に二人の周りにいくつもの影が並び立つ。
 飛び出した物体は二人の丁度間で衝突し合い、盛大な音を立てながら火花を散らす。影は一つに重なることで、二人の体を変化させる。

 白と黒のみで染まった装甲、そこへ周りを飛び回っていた板状の物体が仮面に突き刺さる。額のポインターが黄色と赤にそれぞれ染まり、頭から足先まで、マゼンタとシアンが追加される。


 片や、守ろうとする者―――ディケイド。

 片や、破壊しようとする者―――ディエンド。


「―――オオオォォオォォォォッ!」
「…………」


 雄叫びを上げ、走り出
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