第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#19
DARK BLUE MOON? 〜Gravity Angel Drive〜
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び戦闘神経をギリギリまで研ぎ澄ませた。
(でも……一体どうして……?)
一抹の疑念と共に、少女は躰を鋭く反って縦に廻転し美女に背を向けた体勢で
ガラスの大地へと火線を描いて着地する。無論直前に大刀を円周状に振り廻して
周囲を牽制するコトも忘れない。
(アイツが……視てるから……?)
背後のフレイムヘイズへの警戒を怠らず、
大刀を両手で構え直すシャナへ波浪のように迫る群青の群。
その隙間から垣間見えた、自分の一挙一動を見過ごすまいと光るライトグリーンの瞳。
(アイツが、視てるからッッ!!)
二つの瞳が交差した刹那、疑念は確信へと換わり、
まるで起爆剤のように己の裡で弾け燃え盛る闘気へと変貌した。
紅蓮舞い踊る炎髪が一度吹雪のように火の粉を振り捲き、
その威圧感に身構えるマージョリーを無視してシャナは再度足裏を爆散、
それぞれ三位一体となって迫る炎獣の波浪内一対に撃ち掛かる。
標的は、あくまでトーガ。
この遍く炎獣の群は、交戦するフレイムヘイズの強力な攻撃手段で在ると同時に、
極大焔儀発動の 「原動力」 とも成っている。
相手の自在法を “喰らう” という特殊能力も、
ソノ威力を最大限に高めるというコトを目的として造り上げられたモノ。
故にソレをスベテ潰してしまえば、後には片腕をもがれたも同然の自在師が残るのみ。
如何に歴戦のフレイムヘイズと云えども 『元となる力が存在しなければ』
どれだけ強大な焔儀を修得していようとも遣うコトは出来ない。
相手の得意手は、奪える時即座に奪う。
コレもまた、凄惨なる戦場での定石。
「「「グウウウウウゥゥゥゥゥゥオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォ
ォォォォォォォォ―――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!」」」
しかし相手のトーガもただ狩られるのを待つ脆弱な獣ではない。
虚を突いた攻撃ならまだしも真正面から向かってくるシャナに、
相討ち覚悟で獰猛に襲い掛かる。
少女の斬撃射程距離より遙か離れた場所からその巨腕を伸ばし
彼女を場に縫い付ける為、上下左右更に斜交からの同時攻撃を仕掛ける。
空を劈く強烈なスピード。
如何なる 「達人」 と云えど、遮蔽物もない場所で6方向から放射状に迫る爪撃を、
一振りの刀のみで対処するのは事実上不可能。
しか、し。
次の瞬間、それぞれバラバラの軌道で振り下ろされたトーガ3体の腕6本が
少女の華奢な躰に着撃する刹那、突如何かの法則に触れたかのように
スベテ斬り飛ばされた。
「「「――――――――ッッッッ!!!!????」」」
爪撃の勢いで大きく弧を描いて宙を掻きそして放散する蒼き腕の束。
その結果をもたらしたシャナの剣技が、気流に揺らめく黒衣の間から正体を現す
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