第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#19
DARK BLUE MOON? 〜Gravity Angel Drive〜
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走った
死角の一撃に脇腹を深々と刺し貫かれる。
「ぜえええぇぇぇぇッッ!!」
継いで湧いた灼熱の喚声と同時に大太刀の特殊能力が発動、
自在法で在る炎獣は何の抵抗も出来ず無へと還る。
(二つ!!)
(バカが!!)
トーガ消滅の瞬間、近郊と遠隔で二人のフレイムヘイズが
心中で対照的な声をあげたのはほぼ同時。
先刻少女が大刀を突き刺した後、消滅の余波を煙幕にして
背後へと回り込んでいたもう一体のトーガが、その巨腕を既に撃ち落としていた。
全力の刺突に伴い宝具も発動させた為、躰が一時硬直する少女に
斬撃を放つ余裕は無い。
だ、が。
次の瞬間、シャナの白い肌を無惨に引き破ると想われた群青の爪撃が、
ソレを繰り出す 「本体」 ごと空間で停止した。
「……ッ!」
「――ッ!」
その様子を遠間で見据えながら息を呑む無頼の貴公子と蒼炎の美女。
舞い踊る紅い陽炎の元、視覚的には少女が反射的に出した細腕一本で
巨腕を受け止めているようにも視える。
だが違う!
実際には少女の纏った黒衣の袖口、
その内側から伸びた無数の “鎖” が
眼前の炎獣を幾重にも巻き絡めているのだった。
『緋 ノ 鎖ッッ!!』
遣い手−空条 シャナ
破壊力−なし スピード−シャナ次第 射程距離−C(5メートル前後)
持続力−B 精密動作性−シャナ次第 成長性−A
その炎で出来た灼熱長鎖の名が、少女の尖鋭な声と共に鳴り響く。
「口が開けられなきゃッ! 喰おうと思っても喰えないでしょ!!」
同時に強烈な力で引き寄せられたトーガが、
一刃の片手横薙ぎと共に胴体部からバッサリと両断される。
後には、霧塵の火の粉と化した群青が寂寥と共にたゆたうのみ。
「三つッッ!!」
双眸に宿った黄金の光と共に、喊声をあげながら少女は
残った炎獣の群に逆水平の指先を向けた。
「炎気の具現化か。先代のモノとは較ぶべくもないが、アノ若さでよくも」
「元々 “縄” で相手をフン縛るくれぇはヤってたからな。
ソイツを応用すりゃあ不可能じゃあねーだろ」
ここまでは非の打ち所が無いほど、戦闘を有利に進める少女の俊才に
老紳士と無頼の貴公子は落ち着いた声で語る。
(――ッッ!!)
ソレとは対照的に彼女と対峙するマージョリーは苦々しく口中を噛み締めた。
「おいおいおいおい、一体ェどーゆーコトだ!?
昨日と動きが全然違うじゃねーか!
アノ刀以外宝具を遣ってる様子もねぇし、
本当に昨日ブッ倒したあのガキンチョかよ!!」
まるで別個のフレイムヘイズを視るような口調で、
腰元のマルコシアスが騒ぎ立てる。
残るトーガはあと9体。
戦局的にはまだまだ己の優位は揺るがないが、
心中に生
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