僕の人生。
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聴いていたが次第に眠気と闘わなくてはいけなくなってきた。しばしの闘いの後、眠気が勝利した。そしてそのまま眠ってしまった。気付くと、誰かに揺すられていた。何だと思い、目を開けると揺すっていたのはあの彼女だった。どうしたのかと問うと、自分が眠っていたから起こしてくれたそうだ。肩の辺りが少し痛かったので、かなりの時間を揺すってくれてたんだと察した。周りを見ると皆もうお祈りをしていた。結構な爆睡していたのだと気付き、彼女にお礼を言い、自分も信じてもいない神に祈りを捧げた。お祈りの時間も終わり、皆が三々五々に散っていった時に彼女は何やら神父と話し込んでいた。神父は落ち着いているようだが、彼女は何やら焦っていた。暫く眺めていると、話が終わったらしく彼女は僕の横を通り過ぎ、足早に去っていった。少しボーッとしていると神父がこちらに近づいて来た。神父は少し困った顔で彼女の事を話してくれた。彼女は生まれた時から両親が居なかったこと、新しい家庭にも馴染めず、色んな家にたらい回しにされたこと、学校で苛められていること、他にも色々彼女の辛い人生を聴いたが一番驚いたのは彼女は魔族と人間のハーフだということ。魔族とは300年程前に現れた異形種のことで、どんな種族よりも力があり、時には凄い力を持つ種族もいるようだが、彼らはとても危険だと言われていた。その一つが、魔族以外の者達を攻撃する傾向があるからだった。そのせいで魔族は人間に追われ、いつの間にか何処かへ消えてしまった。おとぎ話でしか聴いたことのない種族と彼女はハーフなのだと思うと、知らずの内に僕は彼女に興味を持っていた。その後、神父は彼女の心は傷ついているから、優しくしてやってくれ。と言われたので僕は素直に了承した。そして神父との話も終え、僕は直ぐに学校へ向かった。学校への道のりも僕は彼女のことで頭が一杯だった。次に会った時は、もう少し喋ってみようと、心に決めた。
〜僕は気付かなかった。これから始まる僕と彼女の物語を〜
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