十六話:遊園地2
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化する。
そして―――五秒が経つ。
「今です!」
「行くぞ、シータ!」
「はい、ラーマ様!」
旗による防御が無くなったことで暴れ狂うジャバウォックが襲い掛かってくる。
しかし、それを見ても四人は誰一人として動じない。
全てを一本の矢に賭けているがゆえに。
「受けてみよ!」
「羅刹王すら屠った一撃!!」
「「―――羅刹を穿つ不滅ッ!!」」
音を超え、二人の弓から光の矢が放たれる。
ジャバウォックは先程のように防ごうとするが全て無意味であった。
気づいた時にはその体には―――ぽっかりと巨大な穴が開いていたのだから。
【■■■■■■■!?】
一瞬の空白の後に訪れた激痛にジャバウォックは断末魔の悲鳴を上げる。
体の中から焼き尽くされる、あり得ない痛み。
血液が沸騰し蒸発することで体の皮膚が引き裂けていく。
そして、最後には―――跡形もなく破裂して消えていくのだった。
『勝った……』
「はい。ラーマ様の勝利です」
「そうだな。そなたらのおかげだ」
「とにかく、ここから出ましょう。流石に疲れました」
ジャバウォックの消滅を見届け息を吐く四人。
そんな四人の下に戦闘開始直後から消えていたナーサリー・ライムが姿を現す。
「すごいわ! すごいわ! バッドエンドをハッピーエンドに変えちゃうなんて!」
『バッドエンド…?』
「そうよ。この物語はバッドエンドって決まってたの。それをハッピーエンドに変えたんだもの。私には無いものを作ったのよ、本当にすごいわ!」
四人の勝利に本当に嬉しそうに飛び跳ねるナーサリー・ライム。
その姿に怒ろうにも怒れずに何とも言えない表情を浮かべる四人。
今回の過剰なまでの演出はジルとプレラーティにより仕組まれたのが理由だ。
ぐだ男の記憶を完全に奪ってしまおうと目論んでいたが結局失敗に終わった。
もっとも、奪ったところでジャンヌへの想いは変わらなかったのだが。
「でも、そろそろ夢から覚めないといけないわ。アリスの夢はこれで終わり。次はちゃんとお茶会をしましょう」
ナーサリー・ライムの言葉と共に四人に眠気が襲ってくる。
現実世界に戻るのだ。それを理解しぐだ男は瞼を閉じるのだった。
ぐだ男達が“鏡の国のアリス”から出た頃には日が傾いており赤々とした空が広がっていた。
もうそろそろ最後にしようとどちらが言うこともなく決まり、ぐだ男とジャンヌは観覧車に乗った。
「景色が綺麗ですね……」
『うん。本当に綺麗だ』
二人で観覧車の中から外の風景を眺める。
しかし、二人ともどこか心ここにあらずといった様子でお互いを盗み見ていた。
そ
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