十六話:遊園地2
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余にどうしろというのだ」
「赤の女王……流石は名高い暴君です」
「ラーマ様はオンリーワンです。それをよくも……義弟を呼んで全面戦争をしかけましょう」
『やめて。世界が数回滅びるとかいうダイナミックな表現のインドはNG』
ネロの無茶ぶりに怒り心頭のシータを宥めながらさらに奥に進む。
因みにラクシュマナは国と兄をかけて迷わず兄を取る程のお兄ちゃんっ子である。
最近は兄と義姉のイチャラブを見ることに新たなる幸せを見出したらしい。
「たのしいわ! たのしいわ! この森を抜けたらみんなでお茶会よ!」
『結構長かったけど、後もう少しか』
「でも、気を付けてね。この森にはこわーい怪物が住んでいるの」
「怪物? 問題はない、すべてに余に任せるがいい」
「ラーマ様……かっこいいです」
ナーサリーライムが警告を出すがラーマは自身に任せろと胸を叩く。
その頼もしい姿にシータがメロメロになっているのを見ながらぐだ男は自分も何かを言うべきだろうかとジャンヌを見つめる。
『ジャンヌ……この森を抜けたら君に伝えたいことがあるんだ』
「ぐだ男君……それはフラグです」
冗談のような本気のような言葉を交わし四人は注意深く森に踏み入る。
しかし、彼らは気づいていなかった。
警戒するべきものは怪物だけでなく―――“名無しの森”そのものも含まれるのだと。
『怪物ってどんな怪物なの?』
「あの子はね、おっきくて、とっても力持ちなのよ」
『あの子?』
化け物という割にはやけにフレンドリーな呼び方に首を傾げるぐだ男。
それもそうだろう。怪物は。
「そうよ。だって“ジャバウォック”は―――あたしの友達だもの」
彼女の夢の住人なのだから。
「森の中で鬼ごっこをして遊びましょう。あの子が鬼でみんなが逃げるの。もし捕まったらカエルみたいにペチャンコよ」
ゆっくりと木の陰から表した姿は一言で言えば、化物。
人間に似た赤黒く巨大な身体は獣じみた筋肉を纏い、竜を思わせるデザインを持つ。
身体には薄気味の悪い紋様が刻み込まれ、それ自体が息をしているかのように脈打つ。
体長は三メートルを優に超え、緩慢な動作と朧気な瞳で周囲を見渡す。
だが、それは可愛らしいものではなく肉を喰らうべき獲物の物色。
まぎれもない怪物、人が抱く恐怖そのものである。
「まったく、子供の悪戯というものは時にとんでもないものだな、■だ男?」
『そうだね、ラ■■?』
互いの名前を口にしようとして違和感に気づく。
名前が出てこない。否、記憶が―――奪われている。
「な
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