第10話 家主のいない衛宮邸
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いると指摘しようとしたが、その人物にはそこまでしてでもこの国を庇う義理も義務も無かった。
いや、この国だけでは無く、他国も生前の祖国すらも、この人物――――とあるサーヴァントからすればどのような末路を辿ろうが如何でも言い様だった。
その上、また言っても内容がイタチごっこになる気もしていたので、指摘するのを止めたのだ。
そこで話題を変える。
「それで・・・・・・この国は君のお眼鏡に適ったのか?」
「勿論だとも」
とあるサーヴァントからの質問に、この人物は先程までの冷静な表情とは違い、獰猛にかつ凶悪的な笑みを浮かべた。
「表面上では怨嗟に満ち満ちているが、それでも俺からすれば濃度自体は薄い。しかし――――」
懐から大きな本を取り出した。それは特殊な魔導書であった。
その魔導書は自動的にページが捲れて行き、止まった所で怪しく煌めいていた。
まるで何かに反応する様に。
「しかし遂に見つけた。見届けるに相応しい、憤怒から来る憎悪を。この魔導書の力に適した恩讐の徒の1人を・・・!」
まるで永年探し求めていたかの様に、淡々と語っていた最初とはまるで別人のように嗤った。
周囲の夜闇がこの人物をより一層不気味に引き立てるように、左目が眼光が赫く赫く煌めいていた。
地上を優しく照らし続ける凛々しい明星とは対照的に、まるで全てを蹂躙し支配し続ける禍々しき凶星の如くに。
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