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衛宮士郎の新たなる道
第10話 家主のいない衛宮邸
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らの命令はより絶対なモノとなる。
 勿論藤村組も例の漏れずにいるが、不満自体は日に日により大きく燻り続いて行った。
 そして遂に一部の組員たちが決死覚悟でスカサハに特攻をして行った。
 しかし何故か不思議な事に、幹部たちは止めるどころかその行為を黙殺していた。
 理由は単にスカサハ本人から黙殺してくれていいと言う提案故だった。
 若手組員たちが自分に不満を抱いていたのは気付いていたので、これを機に不満など考えられない位物分りを良くなってもらおうと言う企みからだ。
 その結果誰も彼もがのされて行ったが、一度のされた程度で心が折れるほど藤村組に根性なしなど居なかったため、幾度もそれが続いた。
 しかし何度もそれが続いて行くと、世間で決して評判の悪くない藤村組も自分達を疎ましく思っている者達への突っ込まれる材料にされる恐れがあったため、雷画は組織強化を名目にスカサハ指導の演習的なモノを本邸内で開いた。
 そして数日後、スカサハに不満があり参加していた若手衆全員心が折れてズタボロ状態になった。
 何でもスカサハ曰く、昔の赤枝騎士団に課した本気の修業前の準備運動を強制したと。
 準備運動でこれである。クランの猛犬をも引かせるほどの本気の修行内容とはいかほどのモノか。
 以後、その日を境にスカサハに不満を持つものなど、藤村組の本邸支部関係なく消え失せたのだった。
 そして話を戻すが、自分には無いが多くの視線に的になっている美女2人は、素人目では兎も角スカサハから見て、明らかに居心地が悪そうだった。

 「・・・・・・」

 ササッ!

 スカサハが彼女たちを助けるために、僅かな威圧を以て周囲を見回すように視線を向けると、彼らは本能的に視線を美女2人から外して、自分たちそれぞれの昼食の品に視線を戻した。
 これで漸く落ち着けるなと思った所で、ティーネとリザの2人の前に料理長の剛史自らが彼女たちの昼食を持ってきた。

 「ん?まだ一分も経過していないぞ?」
 「彼女たちの分は既に出来る寸前だったのですが、アルバ殿の分は後五分少々頂くと言う事だったんですよ」
 「いや、私は――――」

 自分の分はいいと、声を掛けようとした所で、本人の返答も聞かずに剛史は厨房に帰って行った。
 それを結果的に見送ったスカサハは、このまま席を立って厨房まで止める必要も感じなかったので、結局自分の品が出来上がるのを待つ事にした。
 しかしそこで待つことを決めたスカサハの視界で、2人は目の前の昼食に手を付けようとせずに居心地が悪そうにしていた。

 「如何した、早く食べねば冷めてしまうぞ?」
 「いえ、私達だけ頂くわけには・・・」
 「来るまで五分前後かるのだぞ?それでは剛史がせっかく作った料理が冷めてしまうではないか。だから私の事は気
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