第10話 家主のいない衛宮邸
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、純粋な疑問を口にした。
その疑問にスカサハが如何受け取ったかは定かではないが、今の自分の言葉に語弊があった事を素直に認める。
「・・・・・・いや、大いにであったな。――――だがこれはそう言う事では無く、2人の記憶についてじゃ」
その件については様子見をした方が良いと提案したスカサハ本人なので、多少の怪訝さをを感じたエジソンだったが、それを踏まえた上での当人からの用件だ。
それ故自分が止める理由は無い。ただ一つ繰り返す懸念点は。
「ス・・・アルバ殿、やり過ぎないように」
「お主もしつこいな」
「口酸っぱくしなければ、やり過ぎる傾向にあるとシロウから忠告されていますので」
「むぅ・・・」
再び指摘された件について、自分は他と比べても矢張り行きすぎているのだと今までの自分を振り返りながらも、素直にエジソンからの忠告を真面目に受け止めてから2人を預かるのだった。
−Interlude−
昼頃。
スカサハは2人を引き連れて、衛宮邸と藤村邸をつなぐ扉を潜って藤村組の食堂に来ていた。
勿論理由は2人の昼食のためだ。
スカサハは肉体はあるものの、人ならざるものなので食事をする必要はないのだがティーネとリザは人間なので、そうはいかなかった。
と言うか、そもそも2人は病人なので、無理でなければ朝昼晩の三食は欠かせないのだ。
「来ましたな、アルバ殿!」
厨房を覗くと、藤村組本邸の料理長が声を掛けてきた。
「剛史、この2人の昼食は出来ているのか?」
「後5分少々いただきますので、席に座って待っていてください」
料理長に促された3人は、空いている席に座る。
その内の2人のリズとティーネに、藤村組の若手組員の視線が集中する。
2人は相当な美人故に仕方がないと言えるが、であるならば何故女性の美貌の完成形の一つともいえるスカサハに視線が集まっていないかと言えば、彼らは既に彼女を女として見れなくなっていた。
ではどの様に見ているか、と言えば――――恐怖の権化と言うのが彼ら共通の認識である。
なぜそこまでの認識を持たれているかと言えば、それはスカサハが雷画から特別相談役と言う役職を与えられた時まで遡る。
彼女がその役職に据えられた時、藤村組の幹部たちは疑問を覚えたが不満は無かった。
そして数日してから理由を教えてもらい、疑問も解消され、無事藤村組に受け入れられる事になった――――若手の組員たちを除いて。
まだまだ躾が行き届いていなかった多くの若手組員は、幹部たちに抗議をした――――なんてことは起きなかった。
世の中と言うのは可笑しなことに、表の世から弾きだされた者達が裏に行くと表社会以上の縦社会となり、上か
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