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色を無くしたこの世界で
第一章 ハジマリ
第2話 拾い物
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外そうな表情で歩みを止める。

「だって、その分だけ新しい仲間やサッカーと出会えるだろ?」

 そう、天馬はフェイの前に立って笑顔で答えてみせた。
 そんな彼を見てフェイはさっきの様にクスクスと笑い出して言う。

「君は本当、相変わらずだね」
「そうかなぁ?」
「うん」

 少し恥ずかしくなったのか、天馬は「ところで」と話題を変えてみる。

「未来ではあれからどんな事があったの? SARUやアルファ達はどうしてる?」
「そうだなぁ…………!」

 するとフェイは急に言葉を止め、眉をひそめながら天馬
 正しくは天馬の背後の風景を見つめ出す。

「……どうしたの? フェイ」
「天馬。ねぇ……あれ、何かな……?」

 天馬の言葉に少し低めな声でそう言うと、彼は天馬の後ろを指差す。
 振り返り、フェイの指差す先を見るとそこには見慣れない……黒い塊が落ちていた。
 それも道のど真ん中に。

「本当だ……なんだろ……」

 二人は恐る恐る近づいてみる。

「布……?」

 遠目で見たら分からなかったが、どうやら黒い塊の正体は布で
 しかもその下には何かがあるみたいだった……

「捨て犬……とかかな……?」

 フェイに「見てみようよ」と言われ、天馬は布をまくってその下の物体に目をやった。

 瞬間、心臓がドクッと鳴り、止まる。
 布の下に居たのは――――黄色い髪をした人間だった。

「え、人っ!?」
「怪我してる……あ、あの! 大丈夫ですか?!」

 天馬は慌てた様子で黄色い髪の少年の体を揺する。
 すると「んっ……」と言う声が聞こえた

――よかった……生きてはいるみたいだ……

 ホッと胸を撫で下ろすと、フェイが困った様に天馬に尋ねる。

「天馬、どうしよう……」

 フェイの言葉に天馬は悩み出す。
 怪我をしてる人をこのままにしておく訳には行かない。
 天馬は悩んだ末、「とりあえず」と倒れていた少年を家まで運ぶ事にした。
 ここから、天馬の住む【木枯らし荘】までは歩いてすぐの距離だ。
 何にしても、こんな道のど真ん中で待つよりはよっぽど良いだろう。
 フェイも天馬の言葉に「分かった」と頷くと、黄色い髪の人に肩を貸して立ち上がらせる。
 見た目的に彼等と同い年位の少年は「ぅぅ…」とうめき声をあげながら、二人の肩に掴まり、歩こうとする。
 よく見たら顔色が悪い……

「急ごう!」
「うんっ」

 そう言うと二人は木枯らし荘まで急いだ。






「………………」

 途中、背後から視線を感じた気がした。
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