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027「エルフ娘と、手押しポンプ井戸」
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しても優秀なのですっ……!
これが完璧超人という奴なのですかっ……!?)

エルフィンは驚きながらも、これから先、家事で楽が出来ると思い、心を安らかにする。
科学文明が完全崩壊した世界で、手押しポンプは画期的な道具だ。
農作業用の水路に、手押しポンプで水を送るもよし、水が少ない地域だったら、これで灌漑農業出来る。

(シルバー様はとんでもないお方ですけど……家事が楽になりそうなのですよ……。
美味しくて冷たい水が飲めるのですっ……!)

「これで、水汲みの仕事は楽になったな!」

シルバーが、エルフィンにほほ笑みかけてくる。
ショタ妖精の魔性イケメンっぷりに、エルフィンの心臓がドキドキした。大きな胸に両手を当てる。

(ぜ、絶対にチャームの魔法か何か使っているに違いないレベルの美少年なのですっ……!
美しすぎて、逆に不審者すぎるのですよっ……!
ぜ、絶対に惚れたら、碌な最後を迎えないに違いないのですっ……!)

しかし、ここでシルバーに返事をしないのは失礼だった。
だから、エルフィンは、お礼の言葉を言おうとして――この場にいたプラチナに、言葉を遮られる。

「さすがはシルバー様です!
家事の仕事を軽減して、もっと領民に色んな有益な仕事をやらせるんですね!経営者の鏡ですよ!
たくさんたくさん働かせて、大国を作りましょう!大国!
世界帝国でも良いですよ!」

「……あ、うん。そういう事でいいかな……?
いろんな産業あった方が、豊かになれる……?」

『自信がない指導者に、付いてくる民草は居ませんぞ!』
『ダメだ、この妖精っ……!恐怖政治やってなかったら破滅しているわっ……!』

シルバーの意味のない呟き。
領民達はそれを聞いて、残酷な未来を想像した。
支配者が、民草に楽をさせる政策を行うはずがないという先入観が働き、不安となり、彼らの心の中に染み渡る。

「お、俺達をもっと働かせるっ……?」
「やっぱり、恐ろしい大魔王だっ……!」
「オラっ!働かずに暮らしたいだっ!」
辛い農作業は嫌だっ!
「や、やめるだ!そんな発言したら、リザードマンのゴロツキみたいに処刑されて、ステーキにされて食われてしまうだ!」

『内政チートが難しいお』
『妖精さんの信用度はゼロだお』

この場で、シルバーの傷ついた心を救ってくれるのは、嫁の銀髪ロリだけだった。
プラチナは落ち込みかけているシルバーを励まそうと、両手を振り回し、民衆を扇動する。

「さぁ!皆さん!
シルバー様に拍手しましょう!
えと、手押しポンプ?
僕たちは、それのおかげで、水汲みの仕事から解放されました!さぁー!パチパチッー!」

領民達が、命の危機を感じながら拍手をした。
その光景はまさに――支配者と奴隷
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