追いかけっこ
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けようとするが、そうはさせないとレオンがどこからか取り出したリンゴアメを投げつける。リンゴアメって相当堅いけど・・・大丈夫なのかな?あれ。
「シリル!!早く早く!!」
「今のうちしかないよ!!」
「いいとこ見せて!!」
俺に見せ場を与えようとしてくれているのか、一切手出しする様子がない少女三人組。そんなこと言われたら、頑張らないわけに行かないじゃん!!
「このこのこのこの!!」
「いてててて!!」
相手の手を掴みブンブンと上下に振ってみる。勢いでリングが外せるのではないかと思ったけど、よく考えたら通路を塞いでしまっているため、深くはまっていくだけで盗れる気配など微塵もなかった。
「よこせ・・・」
「断る・・・」
実力行使と言わんばかりに腕輪を掴み引き抜こうと力を入れる。しかし、相手も負けじとリングを抑え、抜けないようにと力を入れていた。
「あ、あんこじゃなくてカスタードの方で」
「はい、毎度」
「「「「「お前は何をしてるんだ!!」」」」」
こちらでは最後のリングの奪い合いが繰り広げられているのに、うちの最強戦力は大判焼きを注文しており、緊張感ゼロ。
「いいの?俺一人で全部揃えても」
屋台のおじさんから紙袋に入れられた品物を受け取りながら、こちらにイヤらしい笑みを見せる氷の神。彼が手助けしてくれないのは痛手だけど、今は相手は一人だし、彼だけにいいところを持っていかれるのは癪なので、この挑発に乗ってやるしかないか。
「いい加減に・・・離せ!!」
「ぎゃふっ!!」
お互いに一歩も引かずにユウガさんの腕についているリングを取り合っていると、なかなか動かない展開に焦れてきた彼は、足で俺の腹に蹴りを入れ、弾き飛ばす。だが・・・
スポッ
その際、蹴り飛ばされた俺が握っていたリングから手を離さなかったため、彼の腕からそれが抜け落ちる。
「「あ・・・」」
ただ、腕から抜けたのと同時に俺の手の中からも飛び出してしまい、宙へと舞い上がるリング。それはお尻から落下した俺とほぼ同じタイミングで地面へと音を立てて落ちていた。
「キタコレ!!」
「ヤベェ!!」
小さく一度跳ねてからカラカランと停止するリングに向かって真っ先に走り出したのは、俺の後方で控えていた銀髪の少女。彼女からわずかに遅れ、トレジャーハンターもリングを拾おうと駆け出す。
「ごめんシリル!!踏む!!」
「え!?フギャッ!!」
まるで待っていたかのような反応を見せた少女は一直線に走るために、自分の走路にいた俺の頭を踏みつけ、さらには踏み台のように踏み切りリングへと一気に加速する。
「なんか最近俺の扱いひどいよね・・・」
踏み台にされた俺はその勢いに負けてしまい、地面にひれ伏し
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