追いかけっこ
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そしてこの街についてはほとんど何も知らないであろうソフィア。シェリアがいるから大丈夫なのかはわからないけど、このまま曲がり角を上手に使われてしまうと、敵に逃げ切られる恐れが出てくる。
「そうなる前に捕まえたいけど・・・」
追い掛ける俺たちと逃げる彼らとの差はいっこうに縮まらない。それどころか、徐々に離されていっているような気がする。
このままだとまずい!!そう思っていた時・・・
「ん?」
目の前に頼りになる仲間が現れた。両手いっぱいにまんじゅうを持った氷の神が。
「「ゲッ!!」」
その少年を見た男たちは顔を真っ青にして急ブレーキをかける。俺たちはトレジャーハンターたちを逃がさないように挟み撃ちにするため立ち止まるが、肝心のレオンは何が何なのかわかってないようで、小動物のように頬を大きく膨らませて、手に持っている食べ物をむさぼっていた。
「シリル!!レオンもう四つリング持ってるみたいだよ!!」
「早ッ!!」
ウェンディに言われて見てみると、レオンの腕には左右に二つずつ金色の腕輪がはめられていた。さすがはレオン、つまり後一つ奪えばこのゲームは勝てるってことだな?
「よし!!レオン!!そいつら後ろに通すなよ!!」
「??とりあえず了解」
指をポキポキ鳴らしながらトレジャーハンターの残り二人との距離を詰めていく。その際相手が後ずさりしていくので、状況を把握していない金髪の少年に逃がさないように指示を出しておく。
「大人しくリングを渡せばケガせずに済みますよぉ」
どこぞのチンピラのように威圧感を放ちながら相手にケンカを吹っ掛けてみる。
「お前・・・全然怖くねぇぞ?」
「圧力を全く感じねぇ」
「うるさいですよ!!」
だが、それで押せるほど相手は甘くなかった。さすがに子供が目付きを鋭くして怖い顔を作っても、大の大人がそれに負けていては話にならないか。
「それは違うよ、シリル」
「レオンだったらいけたけど・・・」
「美少女に睨まれると興奮するよねぇ」
後ろから少女たちが何か言っているが、俺には聞こえない。こういう時は耳が遠く感じるなぁ・・・うん、そうだ、きっとそうだ。
「突撃あるのみ!!」
周りの冷ややかな視線などどこ吹く風。俺は最後のリングを奪い取るべく、トレジャーハンターたちへと全速力で突っ込んでいく。
「やるしかねぇな」
「逃げらんねぇしな!!」
前からは追い掛けてきた四人に後ろには仲間三人を倒してきたと思われる少年が一人。ユウガさんとタイガさんはこの場から距離を置くという選択肢は当然なく、一人で突っ込んでくる俺を迎え撃とうとしている。
「ほやっ!!」
二人の前で踏み出した足で地面を抉るようにジャンプすると、二つのリングを
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