追いかけっこ
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シリルside
「レオンだ!!レオンが相手からリングを盗ってくれたんだ!!」
「さすが!!すごいよレオン!!」
おそらく敵の残り三人と交戦していたであろうレオンが、その人たちが持っていたリング二つを奪ったのだと判断したシェリアとウェンディが、互いの手を取り合いピョンピョンと飛び跳ね喜んでいる。
「くっ・・・こんなところでも目立ちやがって・・・」
喜ぶ二人とは正反対に、俺は拳を強く握りプルプルと震わせている。俺は自分が見つけたリングを奪われたのに、あいつはそれを盗られることなく、逆に奪い取ってしまったのだ。ライバルとしては悔しさが込み上げてくるのは仕方ない。
「ププッ、悔しがるシリルも可愛いよ」
「うるさい!!」
そんな俺を見てソフィアが口を押さえながらバカにしたように笑いを堪えている。一回戦は俺が活躍できたのに・・・二回戦でやられっぱなしだと、あいつにさらに先を行かれてしまう・・・
「こうなったらあいつらからリング全部奪い取る!!それでこのゲームの勝利もゲットだ!!」
ビシッと目の前の盗っ人二人を指さし、高らかに宣言する。レオンが二つ持ってるのは確実なんだから、あいつらが持っている三つのリングを全て奪えば、単純な話し勝つことができるんだ!!
「シリルが燃えてる」
「いいとこ取りするんだ」
「蒸発しないよね?」
気合いが入りまくりの俺を見て、ウェンディとシェリア、そしてソフィアがそう言う。言っておくけど、水の魔導士だからって燃えたら蒸発するわけないからな?その辺は重要だから覚えておけよ?
「どうする?」
「どうすっか」
勝利を確信していたはずのトレジャーハンターたちは、一転して劣勢になったことで、口元を隠しながら作戦会議をしていた。
「ここは・・・」
「だな」
お互いにうなずいたところを見ると、どうやら作戦が決まったようだ。彼らはわずかに落としていた視線を上げると、目の前にいる俺たちを真っ直ぐに見据える。
「「ひとまず逃げる!!」」
「「「「逃げるんか〜い!!」」」」
肘を曲げ、左足を軸に体を反転させるとすぐさまこの場から逃げ去ろうとするトレジャーハンター二人組。以前戦ったトレジャーハンターとは異なりあっさりと諦めるその姿を見て、ズッコケながら突っ込んでいるけど、今はそれどころじゃない!!
「待てぇ!!」
「チャンスは今しかない!!」
「リングを奪っちゃえ!!」
「逃がしません!!」
リングを探すなどというゲームの趣旨を無視して逃げていく二人の男を追い掛ける。しかし、さすがはトレジャーハンター、なかなか距離が縮まらない。
「まずいよ!!このままだと・・・」
まだ蛇姫の鱗に入って日の浅い俺とウェンディ、
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