15 6の直後のお話
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いわゆる潜在的に鬱陶しい類。
この潜在的ってのが厄介な奴で、ただ我慢強い奴とか短気な奴とはちょっと種類が違う。
不満をため込む要素があるとそれを溜め込み、何かの拍子で許容量を超えたりすると文句を零したり離反したり暴動を扇動・便乗したりする。
だから悪戯に刺激するような要素はなるべくしない方がいいって事だ。
ん? 俺の拳? それはそれ、これはこれ、だ。
「でもなぁ…手放すのは嫌だぞ、どうしても」
それで納得できるわけがなく、当然俺は食い下がった。
「ですがその者は地位のある者でもなければ、デトワーズ国民ですらない」
わかってる。
「傭兵は傭兵だからこそ、人口の少ないデトワーズ国民の代わりに消耗品として採用しているのです」
わかってる。
「更に、外来者であるその傭兵に“立場”を与えるだけの理由がない」
わかってるって。
「そういう観点から、周りを納得出来る理由もなしに召し抱えれば反発すらありえます」
「面倒臭いなぁ」
「何もなしに拾い上げるから、反対する理由が色々出てくるのです。 挙げれば片手の指では足りないほどに」
つまり今言った外来者である以外にもたくさんあるんだな。 それも理由が五つ以上も。
本当…面倒臭いなぁ。
「でもミーア姉ちゃんを拾い上げたのは俺だぞ?」
ロックスのおっさんの言う事に間違いはないものの、そこにある益というものを無視する事は出来ない。
その例として昔馴染みであるメイドのミーア姉ちゃんを挙げた。
何も持っていなかった持たざる者であったミーア姉ちゃん。
路地裏深くで底辺を這い蹲って見上げる見る事も出来なかった。
そんなミーア姉ちゃんは俺に拾われて、こうして立派にメイドをしている。
「…確かにそうですね」
これにはロックスのおっさんも多くは言わずに肯定した。
否定出来る理由は出す事は出来るのだろうが、それは極端な事を言えば“メイドなんかに価値なし”と言うようなものだからな。
そんな事を言ってしまったらミーア姉ちゃん含め、城のメイド達の“腕の花”の存在意義を否定する事になる。
「勘違いしないよう言っておきますが、エルザ姫様の人を視る目は信用しております」
「お
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