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転生とらぶる
機動戦艦ナデシコ
1440話
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「お前は、これからどうしたい?」
「私は捕虜」

 端的に告げるその様子は、感情を一切表す様子はない。

「そうだな、捕虜だ。けど、だからってお前がこれからどうしたいかの希望を口にするくらいはいいだろ? ナデシコ……ネルガルの戦艦の中には、お前と同じ力を持っている奴もいる。希望するならナデシコに乗せる事も出来るぞ?」
「ナデシコ……」

 その単語に少しだけ首を傾げるラピス。
 月ドックの時の戦いで、ナデシコと遭遇してルリと接触した事を思いだしたのだろう。

「でも、アクセル。そのラピスをネルガルに……いえ、ナデシコ世界の勢力に渡すのは色々と不味いんじゃない? 特に討伐軍はあの月ドックの戦いで色々と被害を受けてるんだし」
「……なるほど」

 あの戦いではメギロート以外はシャドウミラーに被害は殆ど出ていないので、俺としては何も思うところがない。
 だが、戦艦を同士討ちさせられた討伐軍の方では話が別だろう。
 勿論ラピスはこの年齢だ。上から命じられるままに行動を起こしたのだろうが、だからといって理屈で納得出来る話ではない。
 討伐軍側にラピスを渡した場合、あの時の戦いで死んだ者の遺族や友人、恋人といった者達によって面白くない展開を迎える事にもなりかねない。

「けど、ならどうする? シャドウミラーで引き取るのか?」
「そうね、私はその方がいいと思う。マリューやコーネリアを始めとする他の皆にも聞いてみないと正確なところは言えないけど、出来れば私達が保護したいと思ってるわ」
「……それは、つまり俺の子供として育てろって事か?」
「ええ。アクセルがいない時以外は例外なく夜の生活は続いているのに、誰も妊娠する気配はないでしょう? 多分アクセルが混沌精霊なのが関係してると思うんだけど……それに、いつかの時の為に子育ての練習はしておいた方がいいわ。……どう思う?」

 最後の問い掛けは、俺でもなく、ナタルでもなく……このブリッジにいる俺の恋人である円と美砂へと向けられたもの。
 それに2人は顔を赤くしながら口を開こうとし……次の瞬間、周囲に激しい爆発が生み出される。
 何が起きたのかというのは、考えるまでもない。視線の先では、クルスク工業地帯が炎に包まれていたのだから。
 ……俺達を引き込んで自爆するつもりだった、か。
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