機動戦艦ナデシコ
1440話
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趣味が……」
「違うぞ」
どこか笑みを含めて告げてくる美砂へ即座にそう返す。
けど、考えてみれば美砂達が15歳の時にキスをした訳で。
でも最後まではしなかったんだから、多分ロリコンじゃない……筈。
元々俺の好みは大人っぽい女だし。
「で、あの基地だが……向こうは最初から本格的に防衛するつもりはなかったらしい。ラピスに戦車を操らせて、それが不利になったらすぐに上層部は全員逃げ出したらしいしな」
「……こんな子供一人を残して?」
「ああ。時間稼ぎをするように言われていたらしい」
まぁ、あくまでも効率だけを考えれば、戦車を動かしているのはラピスであり、その上司達はいても何の役にも立たないのだから、さっさと自分達は消えるというのは決して間違いという訳ではない。
だが、それでも客観的に見るとあまりに情けないのは間違いがなかった。
大人が子供に……それも幼女と呼ぶのが相応しいような、そんな子供を相手にして自分達だけで逃げるというのは、傍から見ていて情けないにも程がある。
まぁ、賊軍の上層部にいるんだから、その辺は本人達としてはあまり気にしてない出来事なんだろうが。
「……情けない」
ポツリと呟いたのは、ナタル。
この場にいる中で、誰よりも軍人らしい軍人なのだから当然だが。
純粋に軍人として過ごしてきたという意味では、俺とレモンも負けてはいない。
それどころか、俺は士官学校を主席で卒業してるのだから、その辺のキャリアという意味では決してナタルに負けている訳ではないが……元々の性格が俺やレモンとナタルでは違い過ぎたし、軍にしても特殊部隊に所属した俺やレモンと違って、ナタルは真っ当な軍人として暮らしてきた。
その上軍人一族と言われる家の出身なんだから、子供を捨て駒にして大人達が逃げるというのを見れば、どうしたって不愉快になるのは当然だろう。
実際、原作でもナタルはドミニオンで軍人として育ってきていなかったフレイを慰める場面とかあったし。
「ま、しょうがないでしょ。向こうは文字通りの意味で賊軍なんだから」
円の言葉が周囲に響く。
賊軍……向こうの士気を低くし、もしくは怒らせる目的で賊軍と名付けたんだが……まさか、名は体を表すを如実に示すような真似をするとは思わなかった。
苛立ち……そう、今俺が感じているこの気持ちは苛立ちと表現してもいいだろう。
「落ち着きなさい、アクセル。それで、その子……ラピスとか言ったわね。どうするの? 無難な線だとネルガルに引き渡す事だろうけど」
「だろうな。それが一番無難だとは思うんだが、な」
呟き、一旦言葉を切ってから視線をラピスの方へと向ける。
あからさまに幼いその様子は、俺が初めて会った霞と比べても尚幼いと言ってもいい。
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