機動戦艦ナデシコ
1440話
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確にはそれを動かしているAIやメギロート、ファブニールに入っているシャドウの量産型W……面倒臭いからファブニールを操縦だな。ともあれ、そんな風に命令を下す。
量産型WとAIなので、特に命令に逆らうような真似をせずに素直に後方へと退いてくる。
防御を固めるように言ってあるので、当然G・テリトリーとEフィールドを展開しながらだ。
このカトンボもヤンマも、シャドウミラーの改修によってディストーションフィールドよりも強力なG・テリトリーとEフィールドを展開可能になっている。
そして防御力という意味では、この2艦よりも強力なファブニールは言うまでもない。
……代わりにバリアの類がないメギロートは攻撃を食らってしまえば防ぎようがないのだが。
だが、ルリの同類の子供がここにいるということは、当然のように戦車の動きも止まっており、後方へと退避する際に攻撃はされない。
もし賊軍に骨のある奴がいれば、戦艦の類は……いや、こちらは人数が必要だから無理か。けど、戦闘機の類は出撃出来ただろいう。
だが、こうして見ていても全く出撃してくる様子がない。
この基地の戦力は、完全にこの子供任せだったのだろう。
そしてクルスク工業地帯を基地化して立て籠もっていた賊軍の連中は、皆が皆この場から逃げ去ってしまった訳だ。
向こうにとってはここで死ぬような事は全く考えていなかった……と言えばいいのだろうが、それにしても仮にも軍人が全員揃いも揃って基地を捨てていくとは……賊軍、賊軍と言ってきたけど、文字通りの意味で賊軍になってしまったな。
ともあれ、クルスク工業地帯から距離をとる事には成功したが、こちらは全く何の被害も受けてはいない。
そして十分に距離を取り、もう安心だと判断したのだろう。ブリッジにいたメンバーの中でレモンが代表して口を開く。
「それで、アクセル。事情を説明してくれる?」
「ああ。……いや、その前にこの子供をどうにかする必要があるか」
レモンに答えながら、視線を俺に抱き上げられたままの子供へと向ける。
何だかんだと、こうしていたにも関わらず嫌がって暴れたりもしなかったのは助かったが……普通、自分が敵の大将に連れ去られるような真似をすれば少しくらい騒いでもおかしくはないんだが。
いやまぁ、感情の機微が殆どないというのは理解していたが。
「名前、聞いてもいいか?」
「ラピス。ラピス・ラズリ」
「ラピスか……」
ルリといい、ラピスといい、宝石の名前を付ける決まりでもあるのか?
いや、瑠璃はガラスって意味だったか?
「なるほど、ラピスか。……ラピス、今の状況は分かってるか?」
「捕らえられた」
端的に告げるが、それは間違っている訳じゃない。
「……アクセル君、もしかしてそっちの
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