第179話
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思いをすることもない!人はあらゆる不安から解放され、”善きもの”だけを追求できる!まさしく錬金術の奥義――――大いなる秘宝(アルス=マグナ)というものですわ!」
「教授どころかヨアヒムだってここまで狂っていなかった気がするわ………」
「そうだね。まさか彼らを超える狂人がいるなんてね。」
「何であんな考えができるんだろうね……?」
嬉しそうな表情で高々と叫んだマリアベルの言葉を聞いたエステルは呆れた表情で答え、ヨシュアはエステルの言葉に頷き、ミントは不安そうな表情で呟き
「ベル……貴女は………」
「貴様………!どこまで俺達――――”人”の存在を愚弄するつもりだ!?」
エリィとユーシスは怒りの表情でマリアベル達を睨んだ。
「………―――イアン先生。本当にそれで、いいんですか?」
するとその時考え込んでいたロイドは真剣な表情で尋ねた。
「…………………何事にも備えは必要だ。人間の歴史は、あやゆるリスクにどう対処するかの歴史でもある……そしてキーア君はそれを制御できる素晴らしい力を持っている。それは否定のできない”事実”だ。」
尋ねられたイアンは眼鏡をかけ直して淡々と答えた。
「その結果、キーアをそんな場所に押し込める事になったとしても……?かつての”幻の至宝”はやがて心を病み、自らを消すという結末に至ったと聞いています。あなた方は本当に……一人の女の子にそんな重責を押し付けるつもりなんですか?」
「………”幻の至宝”よりも幼いキーアではとても耐えられんぞ……!」
ロイドの言葉に続くようにツァイトは厳しい表情で答え
「……………」
イアンは黙り込んでいた。
「ロイド、それは――――」
「うふふ、そうならないようにわたくし達がいるわけですわ。キーアさんに世界改変の責任を全て押し付けるのではなく……先生のような有識者が”より正しい方向”へ世界を変える道標をアドバイスしてゆく……それならば話は別でしょう?」
「…………………」
マリアベルの説明を聞いたロイドは呆け
「み、民主主義的なプロセスを全て否定するというの……?」
「……それどころか絶対王政すらも否定しているぞ……!」
「無茶苦茶としか言いようがない……」
「私もかつてはこのような外道共と同じ類だったと思うと恥としか思えませんわ。」
「クロイス家がそこまで墜ちるなんて………」
エリィとユーシスは厳しい表情で声を上げ、フィーは静かな表情で呟き、フェミリンスは不愉快そうな表情をし、エイドスは悲しそうな表情をした。
「……民主主義や絶対王政の弊害はエリィ君達も良く知っているはずだ。ともすれば衆愚政治に陥り、大切なことを迅速に決めることもままならなくなってしま
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