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空気を読まない拳士達が幻想入り
第7話 激戦開幕! 幻想郷に安息の地はないのか!?
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「え? いや、私そんなに不安になるような事話しましたっけ?」
「あぁ、今思い出すだけでも背筋に悪寒が走る思いだ」

 ケンシロウは戦慄していた。これから向かう紅魔館と呼ばれる場所―――
 それは、かつて数多の人間たちを食らい貪り続けて来たとされる吸血鬼の住まう館だと言うそうだ。一度その館に入ったが最期、二度と外へは帰れないのだと言う。
 過去に幾度もこの館に挑んだ猛者達がいたが、いずれもその吸血鬼たちの手により帰らぬ人となった。
 その猛者たちや犠牲者達の亡骸は人知れず館内の庭に埋められ、今でも死者の魂が嘆き続けている音から別名【鬼の鳴く館】と命名された・・・って言う設定だったら良いのになぁ―――

「何ですか! 上の文章の下りは!? 私そんな説明してませんよ! ただ吸血鬼だけど綺麗なお嬢様とその妹様、更には病弱な大魔法使いさんとかが住んでる真っ赤なお屋敷、って言っただけじゃないですか! なんですか鬼の鳴く館って? 私そんな怖い場所で働きたくないですよ!」
「中国妖怪が何を言うか」
「妖怪だからって怖い物は嫌なんですよぉ!」

 霊夢の冷たいツッコミに涙目になりながら美鈴は訴えた。まぁ、確かにそんな喧しい館に住んでいたのではノイローゼになりそう・・・もしや、ケンシロウが戦慄を覚えていたのはこの事なのでは!?

「気を引き締めねば、此処から先は恐らく凄まじいまでの死闘が繰り広げられる事だろう」
「そんなに気を張り続けて肩とか凝らないの、ケン?」
「いや、別に問題はない」
「あっそ、とにかくさっさと用事を済ませて帰りましょうよ。何時までも遊んでられる時間はないんだしね」
「あれ? 霊夢さん四六時中暇な筈じゃ―――」

 美鈴の言葉が言い終わるよりも前に、彼女の顔面に霊夢の鉄拳パンチが突き刺さったのは言うに及ばずと言うそうだ。





     ***




 少々の経緯は省く事になってはしまった為に、ようやくケンシロウ達は真っ赤に染まった館こと紅魔館の門前に辿り着いていた。
 流石は名前の通り真っ赤な色の館にケンシロウは目を大きく見開いて見つめていた。

「これが紅魔館か・・・成程、話の通り禍々しい館だな」
「えぇ〜、何処が禍々しいんですか? 一応少し前までは働いていた場所なんですからそんなラスボスが居るような城みたいな風に言わないで下さいよぉ」

 相変らず世紀末感まっしぐらなケンシロウの発言に真っ青な顔になりながら美鈴の必至なツッコミが入る。どうやら今回ツッコミ担当の魔理沙が居ないので代わりとして美鈴がツッコミを担当してくれてるようだ。これでツッコミをわざわざ用意しなくて済むので楽d・・・ゲフンゲフン。

「見た所あんたの代わりの門番は居ないみたいね」
「マジですか!? 
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