第三章
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大火が街の全てを焼き尽くしたその結果として。
「街の汚物がなくなっていますね」
「腐ろうとしていた木々まで」
建物のそれがだ。
「そして鼠達も」
「あれだけいたというのに」
ロンドンの街を我がもの顔で走り回っていたがだ、夥しい数で。
「しかしですね」
「いなくなりましたね」
「火事で全て焼かれた」
「そうなりましたね」
ほぼ完全に焼け落ちた街にはそうしたものもなくなっていた、二人はこのことにも驚いていた。だがそれだけでなくだ。
この火事を境にしてだ、まさにだった。
街を覆っていた黒死病がだった、消え去っていた。
「まだ患者の人はいますが」
「はい、それでもですね」
「新たな患者の人は出なくなり」
「終わりましたね」
患者の増加がだ。
「あの火事から」
「そうなりましたね」
「汚物も鼠達もなくなり」
「街は腐り果てようとしてましたが」
「それがなくなり」
「奇麗になりましたね」
「腐ろうしていた街が」
火事で何もかもなくなったにしてだ。
「変わりました」
「一変しましたね」
「まさに」
そうなっていた、そして。
何故そうなったのかをだ、キャロルはポストリッジに話した。
「やはりこれはです」
「火ですね」
「はい、火がです」
街を焼き尽くしたそれがというのだ。
「消し去ったのです」
「黒死病を」
「そうしてくれたのです」
「犠牲になった人も少なく」
「はい、しかもです」
「黒死病も消してくれた」
「そうなりました」
こうポストリッジに話す。
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