第一章
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きたいものを書く」
織田は難しい顔でウイスキーを飲みながら大阪の訛りのまま言った。
「僕はその考えだよ」
「今書いている作品もだね」
「それを書く為に大阪から来たんだ」
東京、その中の新宿にというのだ。
「あえてね」
「そうだね」
「そうだよ、書きたいものを書く」
織田はまた言った。
「僕はそれでいくよ」
「それでいいんだよ、誰かに習うのなら」
太宰が言うには。
「芥川でいいじゃないか」
「君はやっぱりそこだね」
ここで最後の一人が言った、三人に比べるとやや大人しめで彼等に比べると口数が少ない感じだ。石川淳だ。
「芥川だね」
「芥川でいいんだよ」
「彼の様にだね」
「弱くていいんだよ」
それこそというのだ。
「強さなんて出すものじゃないさ」
「あの人みたいにだね」
「志賀直哉?駄目だよ」
文壇の長老として君臨していたと言っていい彼はというのだ。
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