第一章
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夏はざま
夏になった、そして彼はすぐに私に言って来た。
「海に行くか?」
「夏だから?」
「ああ、海にな」
こう私にだ、彼は明るい笑顔で言って来た。
「俺の車でさ」
「湘南かしら」
「九十九里でもいいけれどな」
「どっちにしても海になのね」
「行かないか?」
彼の言葉は変わらない。
「これからな」
「そうね、海ね」
「夏だからな」
「やっぱりそうなるのね」
「夏は海だろ」
それはもう決まっているといった口調だった。
「何ていっても」
「確かにそうだけれど」
「じゃあ海な」
「プールもあるわよ」
私は海は泳ぐ場所というところから彼に返した。
「あと夏だったらお祭りもあれば」
「夏祭りか」
「そう、花火もあるしね」
「そういえばそうだな」
「夏は確かに海だけれど」
それでもとだ、私は夏だから海という彼に返した。
「他にも色々あるでしょ」
「それもそうだな」
「だから夏でもね」
「海以外の場所にもか」
「行きましょう」
あらためて言った。
「そうしましょう」
「じゃあプールとかもな」
「そこもいいでしょ、夏祭りとかも」
「浴衣な」
「ええ、何かとね」
「ちょっと考えるか」
「夏何処に行くか」
「ああ、海にプールに祭りにな」
彼は私が言ったことをまとめにかかった、二年付き合っているけれどどうも一度に言うとそれを全部まとめて考える傾向がある。
「あとビアホールもあるな」
「私それ言ってないわよ」
「今俺が加えたんだよ」
私が言わなくてもというのだ。
「夏っていったらそれもあるからな」
「だからなのね」
「そうだよ、これ全部ある場所にするか」
「全部一度に楽しむっていうのね」
「そうするか」
「じゃあ何処に行くの?」
「ちょっと探してみるな」
こう言ってだ、彼は実際に旅行のガイドブックを調べてだった。数日経ってから私にある海辺のホテルを紹介して言った。
「このホテルにこの時期に行けばな」
「全部楽しめるのね」
「ああ、ここにするか?」
「今から予約取るの?まだお部屋あるの?」
「どうもキャンセルがあったらしくてな」
「じゃあその空きになのね」
「入るか?」
「そうね、それじゃあ」
私は彼の言葉に頷いた、そしてあらためて言った。
「そこに行きましょう」
「二人でな」
「水着と浴衣用意するわね」
「夏だからな」
「ええ、それとサマードレスもね」
ビアホールで楽しむことも考えてだ、私は彼にくすりと笑って答えた。
「持って行くものが多いわね」
「女の人の旅行ってそうなるよな」
「何かとね、日焼け止めクリームやお化粧品も必要だし」
「だからか」
「色々と持って行くのよ」
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