第七章
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「よかったって言うべきか」
「退治されたからな」
そのグーラ達がとだ、マスルールは答えた。
「火でも焼かれて」
「死体がなくなったらな」
「相手は死体だからな」
それ故にだ。
「もう終わりさ」
「だから安心か」
「法学者といってもずっと戦ってきた人で」
「強いか」
「刀を使う方もな」
そちらもというのだ。
「敵兵をこれまで百人は斬ってきたとか言ってる」
「百人?本当かね」
「俺もそれは知らないがとにかくグーラ達は退治した」
このことは確かだというのだ。
「一人残らずな」
「それも本当かなって今思ったけれどな」
「俺はこの目で死体が焼かれるのを見た」
マスルールは笑ってイマルに答えた。
「うず高く積まれたのがな」
「そうか、じゃあ間違いないな」
「この話は無事解決だ」
「それは何よりだよ、俺は通らないにしても」
普段はとだ、イマルはマスルールに笑って話した。
「ここを真夜中に通っても大丈夫になったな」
「そうだな、それで御前さんは」
マスルールは今度はイマル自身に話を振った。
「あの後家さんと結婚するんだろ」
「話がいい具合に進んでるな」
実に嬉しそうに笑ってだ、イマルはマスルールに答えた。
「俺も嬉しいぜ」
「実際に相当嬉しそうだな」
「ああ、それでな」
「それでだな」
「結婚した時は式に呼ぶからな」
「それを楽しみにしておくな、けれどな」
「けれど?」
「いや、グーラは人を食うな」
その焼かれた彼女達の話を再びするのだった。
「動く死体は」
「それがどうしたんだ?」
「いや、生きている女はそれはないがな」
「人が人を食うなんておかしいだろ」
だが世の中そうした話もある、イスラム圏ではまず見られない様であるが世界史ではままにしてあることだ。
「それは」
「そうだけれどな、それでもな」
「それでも?」
「あまり夜はな」
「ああ、夜はか」
イマルはマルスールが何を言いたいのか察して小さく何度も頷きつつ応えた。
「男をな」
「そうした人もいるってな」
「アラビアンナイトでもそんな話があったな」
「最初の王妃とかな」
不倫がばれて王に殺されここから話がはじまる。
「あるだろ」
「あの話には結構多いな」
夜語られるという設定のせいか実はそうした話も結構ある。
「それでか」
「若しかしたらな」
「俺も夜にか」
「それは注意しろよ」
「望むところだ」
これがイマルの今の返事だった。
「それは七十過ぎの爺さんだからだろ」
「御前さんは二十代、それも前半だからか」
「大丈夫だ、逆にな」
「その体力でか」
「あの人を夜も満足させてやるさ」
「その意気ならいいか、じゃあ式を挙げたら呼んでくれよ」
「それからも
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