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第五十一首
第五十一話 藤原実方朝臣
今の自分の心に火をつけたのは誰なのかというと。
それはあの人だ。私の心を知らなくても私の心に恋の火をつけてくれた。
それはまるで草に火がついてそれが炎となって燃え上がっていくようであり。
そのまま私の胸を焦がしていきそのまま燃え盛っていき心を散り散りに乱してくれる。
けれど思い悩んでしまう。どうしてもそうなってしまう。
それはどうしてなのかというと。
この思い焦がれて焼けているこの想いをどうしても。
あの人に言えない。素直に告げることができない。それはどうしてもできはしない。しようと思ってはいるけれどそれでもどうしてもできはしない。
そのことに悩む。悩んで怯みそのまま時を過ごしている。
恋の炎は消えることなく燃え盛っている。この炎をどうしても伝えることができずに今この気持ちを歌にすることにした。そうしないともう死んでしまいそうになる程に辛くてどうにもなりはしないから。だから今こうして詠う。この辛い気持ちを今一人で詠った。
かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを
この想いはどうにかならないのか。告げてしまえばそれで静かになってくれそうだけれどその勇気はなく。今も一人で心を焦がして続けている。たった一人で。
第五十一首 完
2009・2・17
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