第六章
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「俺達は今モスクに逃げなかったら」
「食われてたな」
「二人共な」
「あれどうすればいいんだ」
イマルは少女のグーラ達を見つつマスルールに問うた。
「一体」
「それはな」
「何とかするにしても」
「一人一太刀ずつ浴びせたらな」
それでとだ、マスルールはイマルに答えた。
「グーラは倒れるがな」
「もう一太刀で蘇るな」
「またな」
「じゃあ一太刀で倒してか」
「そこから屍を焼くしかないな」
イスラムは土葬であるがだ。
「それこそな」
「厄介な話だな」
「全くだ、戦争で死んで」
「ああして彷徨うなんてな」
「このことはちょっと知り合いに話しておくか」
マスルールはグーラ達を覗き見つつイマルに言った。
「法学者の中には何とか出来る奴もいるだろう」
「いるか?」
「多分な」
今一つはっきりしない返事ではあった。
「いるだろう」
「はっきりしないな」
「とりあえず言ってはみる」
「とりあえずか」
「どっちにしても実際に出たのを見たからには」
それならばというのだ。
「放置出来ないからな」
「そうだな、実際に食われた奴がいるかどうかわからないにしても」
「話をしてみる」
同業者達にというのだ。
「そうするな」
「そっちは頼むな」
イマルの方も言う、そしてだった。
この件はマスルールが行い程なくして何でもソ連と戦っていた歴戦の戦士、法学者でもある人物がカブールまで来て群がるグーラ達を刀で斬ってから部下達に言って一箇所に集めたうえで屍を火で焼いたという。
その話を店でマスルールから聞いてだ、イマルは言った。
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