第四章
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「あの娘は」
「それでは」
「決めたよ」
スルタンはアリババに微笑んで答えました。
「それじゃあね」
「あの娘にですね」
「是非ね」
まさにというのでした。
「告白するよ」
「求婚されますか」
「そうしよう」
「ではです」
「では?」
「はい、村に行きましょう」
「今度はスルタンとしてだね」
こうアリババに尋ねました。
「そうしてだね」
「そうです、もうです」
スルタンに戻っていいというのです。
「ですから」
「よし、供の者達を連れて」
そしてというのでした。
「行こう」
「それではね」
「今から」
こうお話してでした、スルタンは供の者を大勢連れてヤシュムのいる村まで向かうのでした。大勢の娘達を連れてです。
スルタンが村に来るとです、村の皆は大騒ぎになりました。
「あれっ、スルタン様だぞ」
「スルタン様が来られたぞ」
「この村に一体何の用だ?」
「何の用なんだ?」
皆驚きます、そして。
ヤシュムもです、首を傾げさせて言いました。
「どうしてスルタン様が来られたのかしら」
「わからないわよね」
「どうしてかしらね」
「また急に来られて」
「どういうことかしら」
お友達と一緒にわからないといったお顔になっています、ですが。
スルタンはお迎えをした村長にこう尋ねたのでした。
「ヤシュムという娘はいるかな」
「ヤシュムですか」
「うん、あの娘はね」
こう尋ねるのでした。
「いるかな」
「はい、今もこの村に」
「それならね」
村長の返事にです、スルタンは。
笑顔になってです、こう言いました。
「僕の前に呼んでくれるかな」
「わかりました」
村長はすぐに応えてでした。
すぐにヤシュムがスルタンの前に案内されました、そして。
ヤシュムがスルタンに一礼するとです、スルタンはヤシュムに尋ねました。
「君、結婚の約束とかは」
「結婚、ですか」
「うん、あるかな」
「いえ」
すぐにです、ヤシュムはスルタンに答えました。
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