第3章:再会、繋がる絆
第61話「傷ついてでも動く」
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「っ....!」
神降し...神をその身に宿す事だ。
主に巫女や神主がする事で、神を降ろす事でその力の一端を扱う事ができる。
...つまり、神の力を使って偽物を倒す...と?
「...でも、椿は式姫だろう?僕だって霊術使いなだけで、神主でも...ましてや厳密には陰陽師でさえないんだけど。」
「そうね。...でも、分霊で式姫な私でも“標”にはなれるわ。」
「そこから優ちゃんが本体を降ろせばいいんだよ。神主じゃなくてもできるよ。」
二人は簡単にそう言ってのけるが、色々と気にするべき事が...。
「...その場合、椿はどうなるんだ?」
「...やってみない事には、わからないわ。実際に降ろすまで...契約するまでは普通でいられるけど、降ろした際には....少なくとも、何も行動はできないわね。」
「死ぬ訳では...ないんだな?」
「そのはずよ。神降しをやめれば、元に戻るはず。」
つまり、神の力を使う代わりに少なくとも椿は戦えなくなる訳だ。
「色々と準備も必要だから、出直す必要があるけどね。」
「とりあえず何か食べないと...。」
「....だな。」
霊脈と僕とのパスを繋げ、まずは自宅に戻るとする。
クロノへの連絡もそれからでいいだろう。
「....繋がらないね...。」
家に着き、昼食を取ってから葵がクロノと通信を繋げようとするが、中々繋がらない。
〈...どうやら、何らかの妨害を受けているようです。〉
「...どう考えても偽物の仕業か...。」
どうやったか詳しくは分からないが、偽物が原因で通信が妨害されているみたいだ。
「援軍は頼めないって訳か...。」
「でも、魔力反応とかで他の人が気づいているかも?」
「それまでは僕らだけって訳だな。」
...なんだろうか。偽物が妨害程度で終わらす気がしない...。
曲りなりとも僕の偽物だ。相当用意周到に仕掛けを施しているはず...。
「...嫌な予感がする。早めに行動しよう。」
「...そうね。司もいつまでも無事とは限らないわ。」
そうと決まればすぐに支度して八束神社に向かう。
作り置きしておいた魔力結晶と御札も全部持って行くか。
―――...待っててくれ司さん...必ず、その心を救って見せる...!
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