暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第61話「傷ついてでも動く」
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...ぅ....。」

「いつ、退院していたんだ?それに、その恰好は....。」

 最近は忙しくて会えなかったから色々聞くが、聖司は答えない。
 それどころか、何かに極端に怯えている。

「...なにがあった?」

「ぁ..ごめ....僕に、近づいちゃ....。」

「え、どうして....っ!」

 とにかく何があったか聞こうとして、僕は聖司の背後から見える人物に気づいた。
 それは女性だった。ただし、髪を振り乱し、手に包丁を持っていた。

「まさか...!」

「ひっ....お母さん....!」

「下がれ!聖司!」

「優輝君...!?」

 何があったかを聖司の言葉から察し、すぐに庇うように前に出る。
 手に持っているのは鞄だけ。だけど、これでも包丁ぐらいなら...!
 そう思い、僕は迫ってくる聖司の母親に対して身構える。

「させない...!」

「死ねぇえええ!!」

「優輝君.....!」

 叫びながら突き出される包丁に対し、鞄で防ごうとして....聖司に突き飛ばされた。

「なっ....!?」

「が....ぅ.....。」

 申し訳ないと言った顔で聖司は僕を見て、そのまま庇って刺される。

「あんたなんかに....幸せなる権利なんてないわよ....!ここで死になさい...!」

「っ、あ......。」

 呪詛のように聖司の母親はそう言い、聖司はそのまま仰向けに倒れる。

「聖司...!?くそっ....!」

「あ...はは...やったわ...やって....っ!?」

「お前....!このっ...!」

 狂ったように笑う聖司の母親に対し、僕は蹴りを放つ。
 それで包丁を叩き落し、そのまま一本背負いをして無力化する。

「誰か!警察と救急車を!」

「...ぁ...優...輝....君.....。」

 人が集まってきていたので、他の人に救急車を頼み、僕は応急処置に当たる。

「聖司!しっかりしろ!くそっ...!なんでこんな事に...!」

 刺された箇所を抑え、必死に止血しようとする。
 ...しかし、とても衰弱しているようで、それだけでは助かりそうにない。

「...も..ぅ、無..理....だ...。」

「聖司....どうしてここまで衰弱して....っ、そう言う事か...!」

 言っている途中で、大体察してしまう。
 詳しい事は分からないが、ずっと虐待を受けていたのだ...と。

「くそっ...!くそっ...!聖司!しっかりしろ!」

「...ぁ...ぅ....。」

 徐々に弱まっていくのを手で感じながら、必死に助かってほしいと願う。

「....優輝...君..
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