第四章
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「ここは景気悪いんや」
「人が減ったっちゅうしな」
「それかいな」
「それちゃうか？」
「何かどうしようもない話やな」
「あと気のせいか空気沈んでるわ」
美咲は今度は商店街の雰囲気を感じ取りそのうえで言った。
「妙にな」
「そういえば何か最近な」
「空気沈んでるやろ」
「この商店街も天下茶屋の他の場所もな」
「どんよりしてるわよ」
「うちの祖父ちゃんが言うには貧乏神がおるみたいな」
ここで萌美はこんなことを言った。
「そんな風らしいわ」
「貧乏神かいな」
「それがおる感じやってな」
「ほなお祓いしてもらうか？」
貧乏神と聞いてだ、美咲は少し考る顔になって萌美に言った。
「そうしたらええか」
「貧乏神は神様やろ」
その美咲にだ、萌美はこう返した。
「神様にお祓いしてもな」
「しゃあないか」
「意味ないやろ」
「ほなどうするんや」
「そう言われてもわからんわ、ただな」
「ただ？」
「一つ思うことはな」
それはというと。
「景気よくなることしたいな」
「それな」
「何かないやろか」
「そういえばや」
萌絵の言葉を受けてだ、そのうえで。
美咲は少し考える顔になり自分の中にある知識を検索してだった、萌美に話した。
「トイレ奇麗にしたらな」
「ああ、金運上がるって」
「そう言うけどな」
「トイレな」
「そこ奇麗にしたらな」
「トイレやったら何処もしてるで」
萌絵は美咲の今の言葉にすぐに返した。
「うちの店もしてるし」
「うちの店もな」
「トイレが汚い店なんて仕方ないやろ」
「どうしようもないな」
最早その時点でだ。
「もうな」
「そやからトイレはな」
「またちゃうか」
「そやろ」
「そうか、まあとにかく何か掃除をしたらな」
「ええんやな」
「そうやろ」
金運、つまり景気上昇の為にはだ。
「やっぱり」
「ほなお店の中掃除しよか」
「そうしよか」
二人でこうした話をしつつ彼女達にとってはは遊び場である商店街を回り店にも入ったりした。そして。
萌美は美咲にだ、こう提案したのだった。
「ちょっとザリガニ釣りするか」
「ああ、それか」
「久しぶりにな」
「ほなペットショップ行こか」
「駅の方のな」
そこでザリガニ釣りのコーナーがあるのだ、水槽の中にいるザリガニ達を釣りどれだけ釣れたかを競う遊びだ。
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