暁 〜小説投稿サイト〜
GATE 株式会社特地電工 〜彼の地にて 斯く戦えり〜
第一部
事務所が無い?!その4
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 声をかけてみるが、返事がない。ただの屍のような人影もない。



 あたりを見増してみても、呼び鈴やチャイムのようなものもない。


 
 3分ほど待ってみたが、埒が明かないので隣の窓口へ行ってみる。


 「すみません、4番窓口は誰もいないみたいなんですが・・・」


  隣と言っても、ちょっと離れた窓口で声をかけてみると・・・


 「そのうち帰ってくると思いますから、あちらでもう少し待ってみてください」


 にべもない・・・。 




 ・・・。



 ・・・。




 30分は経っただろうか、ようやく担当の方らしき方が帰ってきたので声をかける。

 「すみません、こちら4番窓口であってますか?」

 「はい、初めての方ですね?・・・あ、申請書はもう?」

 ここまで窓口をほったらかしていたことに謝罪なし。

 「えぇ、こちらで宜しいですか?」といって書類を差し出す。


 「では、しばらくお待ち下さい。」



  ・・・。

 
  ・・・。

 
  ・・・。


 まぁね、窓口には種類が二つあって、

  ・待たせるところ、

 と、

  ・待たせまくってイラつくところ、

 のふたつだね。



 待たせる窓口は、ダメ窓口だ。
 
 待たせまくってイラつかせる窓口は、よく訓練されたダメ窓口だ。


 訓練された結果ダメなんだから救いようがない。

 OA化とかIOTとかでみんなリストラされてしまえ!



  ・・・。

 
  ・・・。

 
  ・・・。



 もうね、かえろふよ。

 もうぼくちゃん、つかれちゃったもん。

 どんだけ待たんななんやろなぁ・・・



  ・・・。

 
  ・・・。

 
  ・・・。



 結論から言うと、気を失っていた。


 我が口元を濡らすのは夜露だけにあらず・・・よだれ・・・。



 ユサユサと、揺り動かされて目を覚ます。

 揺り動かす人が、血のつながっていない妹とかだったら最高なのに・・・。



 「大村さまぁ、お待たせしました。」

 「はい、お待ちしてました。」

 我ながらさすが社会人を十数年目。受け返し一つにも気配りとウィットが大事?!




 「すみません、こちらへ・・・立てますか?」

 眼をこすり、よだれをハンカチでぬぐい・・・

 ここで、揺り動かしてくれた人、よくよくみると、


 なんと、先ほど受付にいらっしゃった大変かわいらしいお嬢さんではないですか!!



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