第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#18
DARK BLUE MOON] 〜Body Feel Ignited〜
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ヤれッッ!!)
現れる前から既に下していた 「命令」 を厳正に執行するように、
彼は己の守護者へと呼び掛ける。
本来の自分の使命とは矛盾する行為だが、
主の命令には逆らえずその勇猛なる拳士のスタンド、
スタープラチナは殴った己の方が痛いといった
悲壮な表情で拳を撃ち出す。
(オッッッッッッラアアアアアアアアアァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!!)
キツク硬められたスタンドの右拳が、歯を食い縛って心を決める
承太郎の額に高速で撃ち込まれる。
ドグォッ! という想わず眼も耳も背けたくなるような衝撃音が、
瀟洒な室内に響き渡った。
「……死ぬほど、痛ェ……
どうやら…… “夢” じゃあねぇようだな……」
額から、静かに滴る鮮血。
夢なら夢でソレはまた大問題なのだが。
せめてもの救いは、テーブル上のグラスと煙草、
カードキー等で 「自分の部屋」 だとは確認出来るコト。
そんな彼の困惑など平行世界の出来事で在るかのように、
少女は一人傍らで幸福そうな寝息を立て続けていた。
「……で? 一体どーゆーコトだ? アラストール」
胸元を掴む手を苦労して外し、シルクの掛け布団を(スタープラチナが)
少女に掛け直した後、ベッドの縁に腰を下ろした承太郎は
一日の一番始めなのにもうどっと疲れたような口調で炎の魔神へと問い質した。
「……」
「オメーが寝てるワケねーだろーが。小細工すんな」
己の当然の問いに無言で返す紅世の王を難じ、
承太郎は殊更にキツイ視線を少女の胸元へ送る。
まぁ同じ “男” として説明し難い事象ではあるだろうが、
してもらわないコトには埒が開かない。
「……咄嗟の事態だったため、我も止め得る暇 がなかったのだ。
気がつけばもう夜笠を纏い、露台 (ベランダ) 沿いに
この部屋へと飛び移っていたのでな。
貴様と出逢って以来、この子にはあらゆる意味で驚かされるばかりよ」
背後で響く(妙に不機嫌そうな)荘厳な男の声に、
無頼の貴公子は耳を傾ける。
何気なく向けた視線の先、無造作に脱ぎ捨てられた黒衣が
クルミ材の床に転がっていた。
「貴様の部屋の窓が開いていなければ、この子も想い止まったのであろうがな」
(……なるほど、ね)
鋭い視線のまま、無頼の貴公子は開け放しておいたバルコニーを見る。
機械の造り出す空調よりも、自然が生み出す風の方が好きなので開けて於いたのだが、
まさかソコから侵入する者がいるとは誤算だった。
というか、第一此処は地上十二階だ。
「……」
何だってこんな真似を、と承太郎は考えようとして止める。
何だか、思考すればするほどドツボに嵌っていくような気がしたし、
『そうした』 少女にも明確な理由
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