第n+8話 みんみんゴーゴー
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外の虫のキーホルダーやアクセサリー等も付けてっちゃ駄目ね」
「そこ拘るんだな」
「他のバンドを推していると思っちゃうから、舞台から観てて良い気がしないみたい」
「他の虫人間バンドとかいんのかよ」
「今はいないけど、後々出てくるでしょうね。最近セミチャンピオンの人気がどじょう上りだから、柳の下の鰻を狙う感じで」
「逆だな」
「その中で結構注目されてるのは、鶏アイドルのチンモクハキンね」
「虫じゃねぇんだな」
「他には人間ロックグループとか」
「それただの人間じゃねぇか」
「そういえば、夏雄君は何かバンドとか組んだこと無いの?」
「ねぇな」
「なんか、バンド組むとモテそうだからみたいな」
「俺はやってねぇ」
「それか闇の帝国を築き上げて世界を破壊する暗黒のバンド集団に立ち向かう為にバンドを組んだとか」
「ねぇよ」
「無いの?音楽経験とかは?」
「小4の頃ピアノ習わされた」
「ピアノねぇ。いいじゃない。ピアノの経験を活かして蕎麦屋を立ち上げるとか」
「ピアノ関係無ぇ」
「いいえ。ピアノを引くようにろくろで蕎麦に合うような陶器を作ったりすればいいじゃない」
「蕎麦あんま関係無ぇな」
「そもそも、王様の耳に釘と念仏ってみんな言うけど」
「言わねぇよ」
「熟しを見て塵を見ず。私が歩けば土が踏まれて風が起こって野良猫が減るのよ」
「なんで減るんだよ」
「減るかどうかは土曜の朝バナナダイエット次第ってやつね」
「朝バナナダイエット好きだなお前」
と言っている内に会場内の空気が突然シンと静まり返った。
そしてわななくような壮大な音楽の後、派手な爆発と共にこの会場の主役が顔を出した。
彼らは人間程の大きさをしていて、体の上半分が蝉で体の下半分が殆ど蝉で、残りの部分の2本の足で直立していた。
「って殆ど蝉じゃねぇか!」
夏雄の叫びは歓声にかき消された。
それから内輪でしか分からないようなトークが数分あり、それからついに彼らが楽器を取った。
「彼らの演奏テクは、上手い下手じゃなくて独特なのよ」
美都子が小声で解説をした。
「どんなんなんだ?」
夏雄も小声で返す。
「聞けば分かるわよ」
セミチャンピオンの面々は、ピアノをバイオリンをアコーディオンを、各々の楽器を前足に持ち静かに待つ。
そして、最初の曲の前奏が始まった。そして前奏が一通り終わると、彼らは様々な楽器を前足に取り口を付け、
「「「「「ミィイィィィィィィィィイィィィィイィィンンンンミンミン、ミンミンミィィイィィイィイィィイィイィィィィイイィン!!!!」」」」」
(ただの蝉じゃねぇかぁぁ!!)
夏雄は心の中で音楽的に思い切りシャウトした。
それから蝉の鳴くような蝉の鳴き声のようなライブを終えてグッズ販売を冷や
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