機動戦艦ナデシコ
1439話
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敵機をハッキングして動きを止める……もしくは乗っ取って自分達の戦力にして、同士討ちをさせる。
これが上手く出来るのであれば、それは色々な意味で強力な一手になるだろう。
だが、言うは易しとあるように、そう簡単に出来る事ではない。
しかし……このナデシコ世界には、ナデシコ世界の兵器のみという限定では――他の世界の兵器はシャドウミラーしか試しておらず、それは不可能だった――あるが、それを可能とする者がいる。
俺にとって一番分かりやすい例で言えば、ルリとオモイカネだろう。
そしてネルガル月ドッグの攻防で明らかになったように、賊軍にもルリと同じような能力を持った者がいた。
以前ルリが遭遇した時に得た感触では、恐らく子供……それも、ルリよりも小さな子供だという予想がされている。
自分は少女だと言い張るルリにして子供と表現するのだから、それがどれ程小さい子供なのかというのは明らかだろう。
下手をすれば子供というより幼児だったりするんじゃないか?
ともあれ、何故そんな事を俺が今思っているのかと言えば、ファブニールに乗っている量産型Wからハッキングされていると通信が入った為だ。
……なるほど。もしかしてだが、向こうは最初からこれが狙いだったのか?
いや、勿論この基地化されたクルスク工業地帯にシャドウミラーが攻めてくるとは思ってなかっただろうから、俺達を狙い撃ちにしたって訳じゃないんだろう。
そもそも、シャドウミラーの戦力で討伐軍に協力しているのはかなり少ない。
精霊の卵がそれであり、実働班から何人かが時々戦場に出て行くといった感じだ。
攻めて来た戦力をハッキングによって奪うという事を考えていただろう賊軍も、まさかここで俺達シャドウミラーが出てくるとは思ってなかった……というのが正確なところだと思う。
ともあれ、恐らくあの月ドッグの時に新型艦に乗っていたルリの同類が向こうにいるのだと思って間違いはないだろう。
あの戦いの後、アカツキにその辺の話をしたところ情報を集めてみるという話になり、恐らくサワガサキの率いる社長派がルリと同じようにして生み出したのだろうという話は聞いてたが……ここで姿を現すとは思わなかったな。
以前の戦いが終わってから、全く顔を現してなかった。その辺を考えれば、向こうの切り札ってところだったんだろう。
それこそ、あの作戦で本命とされたオカダとは比べものにならない程に。
「レモン」
「アクセルが何を言いたいのかは分かっているわ」
俺が最後まで言わずとも、全て理解していると言いたげなレモン。
この辺の察しの良さは流石と言うべきだ。
長年俺と一緒にいただけの事はある。……いやまぁ、他の面子も同じように感じとってくれるとは思うんだが。
「美砂、円、量産型Wに連絡し
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