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剣士さんとドラクエ[ 番外編集
休日ククールと容赦ないトウカ
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 …………。……エルトもきっとお年頃なんだな。あの姫様は綺麗だったし少しは焦ってイラつくもんか。個人的にはお似合いなんだが立場がなぁ。それは俺も身分の違いはあるんだが王族に比べればまだ、な。

 矢のごとく飛び出していったエルトの振りかぶる槍の、早速の餌食となったプークプックが赤い飛沫を上げるのが既に遠い。ブウンと槍を振る音が低くこっちまでびりびり伝わってくるから相当、溜まってんなあれは……。

「その顔にそんなに自信があるなら全面に押し出せばいいのに」
「その手があったか」
「……ねぇククール、貴方トウカが絡むと結構ポンコツよね」

 おいおいゼシカ、俺は天下のククール様だぜ?今は本気を出していないだけで恋愛経験のないトウカをコロッと惚れさせることが出来る……かもしれないぜ?こう、壁際に追い詰めて甘い言葉でも囁けば……。

 頭の中にゼシカへの練習?と首をかしげてにこにこ笑う姿が浮かんで来たからさっさと首ごと振って振り払った。何事も挑戦、色恋沙汰は俺の戦場なのだから気弱ではいけない、だろ。多分……。

「なんで最後尻すぼみなのよ。あんた真面目に頑張ってるし、あたしだって応援してるからね。だから帰ってきたトウカが背後に立っててもびっくりしないで相手したら?」

 バッと振り返れば逆光に浮かび上がる笑顔があった。肩に担いだ剣から滴り落ちる赤い液体もいつものこと、そう?と首をかしげて笑うのも何時ものこと、剣を片手に話の輪に自然に入ってくるのも、いつものことだ。

「えへへ気づかれてた。ねぇ楽しそうだね、何か話してるの?」
「……特に気にしなくていいぞトウカ。大した事は話してない」
「そうよ、ちょっと恋バナしてただけなの」

 おい、ゼシカ!

「恋バナ?悩めるゼシカにククールの恋愛講座って感じなの?」
「んー、好みのタイプについて言ってただけだからあたしじゃないのよ」
「ふぅん」

 ……姉妹だ、姉妹がいる。しかも立場逆転してないか。トウカがひとつ、ゼシカより年上だったよな?

「トウカは三人もパーティに男がいるけど誰か気になってたり顔が好みだったりしないの?」
「ありゃ、ゼシカの口から出たとは思えない言葉だねそれ。顔は恋愛に気になるものでもないけど、みんなかっこいいなって思ってるよ」
「具体的には?」

 トウカはブンと剣を勢い良く振って血糊を吹っ飛ばすと背の鞘に収め、とろける笑顔でかっこよくて眼福だよねと零す。……その笑顔の対象に俺も含まれているよな、な?

「エルトは小さい時から期待してたけどやっぱりかっこよくなったから、男装の参考になるよ。しかもお姉さん方に庇護欲を掻き立てさせておきながらあの兵士らしく逞しく、なのに素朴!素朴なのに地味じゃなくかっこよく適度に可愛い!可愛いけど間
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