暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
魅惑の妖精亭
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逃げてきたそうなの。皆、仲良くしてちょうだいね!」
『はぁ〜い!』

 店の女の子たちは元気に応えるが、当のルイズは羞恥心でいっぱいだった。
 なぜ貴族の自分がこんな恰好をしなければならないのか!スカートも短すぎて下着が見えそうだし・・・。


 と、そこへ―――

「な、なあスカロン店長・・・」
「ノォオオオオ!!ここではミ・マドモアゼルって呼びなさい!!」
「あ、ああ。そ、それはいいんだが、その、何で俺までこんな恰好を・・・?」
「な〜に言ってんのよ!?貴方にも宿を貸してあげてるんだから働いてもらうのは当然でしょ?丁度給仕の人手も足りなかったし、それにその服も似合ってるわよ?」
「だ、だがな・・・」

「え・・・?」
「あれ、男・・・?」
「店ty「ミ・マドモアゼルよっ!!」ミ・マドモアゼル、その人は?」

 ルイズに続いてひょっこり現れたのは、執事の恰好をした架であった。この店に(皆口が裂けても言えないが)店長以外の男性がいるとは思わなかったのか、少女たちも少々ポカンとし、その内の一人がスカロンに尋ねた。

「ああ、今紹介しようと思ってたのよ。彼がルイズちゃんのお兄さんのカケルちゃん。ダメな父親に代わって家事全般がやってたっていうから、いろいろ雑務を任せることにしたの。ほら、ちゃんとご挨拶なさい!」
「い、今紹介に預かったルイズの兄の架という。よろしく頼む。」

 ネクタイの首元の部分を弄りながら、普段の彼らしからぬぎこちない挨拶をした。

(へえ、お兄さんだって)
(でもあんまり似てないわね)
(顔立ちはまあまあいいわね)
(それにほら、恥ずかしそうにしちゃって、か〜わいっ!)

 少女の間でヒソヒソと囁き合っているようだが、自分のことだと分かっているため架もより恥ずかしくなってくる。何よりこのような執事服など当然着たこともないわけだし、いろんな意味で居心地が悪いったらない。

「働かざる者食うべからず、って言うでしょ?二人とも泊めてあげるんだからルイズちゃんだけでなくアンタも働きなさい。」
「・・・・・了解した。」

 その後、掃除や皿洗いだけでなく、気が付いたら厨房にまで立たされ現在に至るわけである。





「はあ、さすがに疲れたな・・・。」
「いや〜でも貴方ってホントに料理が上手いのね。ちょっとつまみ食いしたんだけど驚いちゃった。」

 閉店後、架が休んでいると、ジェシカが褒めながらやってきた。
おい、と睨むと「あははは〜」と笑って誤魔化された。
手伝いの際にいろいろ話したのだが、どうやらジェシカはあのシエスタとは従姉妹の関係らしい。やはりとは思ったが少しばかりは驚いた。

「おかげで普段は酒しか飲まない連中まで料理を注文しだして思わぬ繁盛だっ
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