暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
魅惑の妖精亭
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なしにピチピチの服を着たマッチョ男は聞いてくる。というかその口調はまるで女―――つまりはオカマのマッチョだった。
一方架も架で答えることが出来ない。今の彼の心の中は驚き2割、戸惑い1割、痛み7割といったところだろう。
それは正に彼のランサーにもらった一撃よりも効いたのではないかと思えるほどである。
「スカロン、その辺にしておけ。」
「あらやだヴァロナちゃんってば。新しい子を紹介しに来てくれたのね。」
「否定したいんだが微妙に合ってるな・・・。」
何事もなかったかのように再び実体化したヴァロナに指摘され、スカロンと呼ばれた男(女?)はようやく架を解放してくれた。殺気を込めてヴァロナを睨み付けるが、彼はスイッと受け流してそっぽを向いた。
「大体の話はジェシカから聞いたわ。詳しくは中で話しましょ。」
「じゃあ俺はここまでだ。がんばれよ、お二人さん。」
ヴァロナはそう言って去っていく。どうやらいつも通り、後のことには関わりたくないらしい。
ふらふらな架と未だ放心状態のルイズを先ほど女性が「ほらしっかりして!」と背中を叩いた。
「アタシはジェシカ。よろしくね二人とも!」
その数時間後・・・
「カケルちゃん!6番テーブル、オーダー入ったわよ!」
「分かった!ノエル、これを8番に持って行ってくれ。」
「オッケー!」
「カケルちゃん、11番さんのまだ出来ない!?」
「もう出来る!そこにいてくれ!」
執事服にエプロンをつけ、厨房でひっきりなしに動きまわる架の姿があった。
「(くそっ、何でこうなった!?)」
つまり、ここに来る道中にヴァロナが説明するにはこういうことだった。
ここ『魅惑の妖精亭』は大衆酒場であり宿屋でもあるらしい。そこで、宿の一室を借りる代わりにここで働かせてもらうよう頼んだのである。
ヴァロナ曰く、酒場はアルコールの勢い任せて普段から溜まっている鬱憤や本音が出やすい。裏の情報を聞き出すならばこれほど簡単な場はない、とのことらしい。正に、一石三鳥である。
スカロンも事情(出まかせだが)を聞き、快く承諾してくれた。ルイズも架も、他に当てもないのは事実であるし、何より所持金ゼロならば四の五の言ってもいられないと覚悟を決めた。決めたはずだった・・・
「さあ、ワタシの可愛い妖精さんたち!今日は新しいお仲間を紹介するわよ〜!」
『はぁ〜い!』
「ルイズちゃ〜ん、いらっしゃ〜い!」
呼ばれておずおずと現れた新入りに、メイドの少女たちから黄色い歓声が沸いた。
「ル、ルイズと言います!よ、よよよろしくお願いいたしますです!」
「ルイズちゃんはね、借金をした父親に売られそうになったところを兄妹で必死に
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