暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
魅惑の妖精亭
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の女性がビンの入ったケースを持ちながら外に出てきた。三人が近づくと、女性もこちらに気付いたようだ。

「あれ〜、ヴァロナさんじゃん!」
「久しぶりだな、ジェシカ。」

 二人は見知った間柄のようで、親し気に挨拶を交わす。ジェシカと呼ばれた女性は黒髪黒目であり、どことなくシエスタを連想するほど彼女に似ていた。
 と、ジェシカは架たちに目を向けると首を傾げた。

「で、今日はどうしたの?後ろのお連れさんは見ない顔だし・・・。」
「ああ、実はな・・・」

 ヴァロナは事前に架たちと打ち合わせていた設定をジェシカに説明する。
 曰く、『隣国で父親に借金の返済の為売り飛ばされそうになったところを一緒に逃げてきたが、初めての国に路頭に迷ってしまったとっっってもかわいそうな兄妹』というものだ。
 「なんで私が下なのよ。」と口では反論したルイズだが、それに対し「どう見てもそうだろうが。」と、ここにきて場の空気を面倒くさくするほどヴァロナは馬鹿ではない。それに口ではそう言うものの、その表情は満更でもなさそうな彼女であった。
 因みに架はというと、『一緒に逃げた兄妹』という点において「既視感が・・・」と頭を押さえながら呟いていたとか。

「話は分かったわ。そういうことならウチのパパは放って置けないと思うから。ちょっと待ってね。」

 と、ジェシカは店の中に入っていった。三人は扉の前で待つことにする。

「店の名前、なんて読むんだ?」
「『魅惑の妖精亭』。お前そろそろこの世界の字覚えろよな。」
「むぐ、すまない・・・。」
「普通は聖杯から知識として与えられるんだがな。話す方は問題なさそうだし、聖杯も中途半端にくれたもんだ。」
「っていうかヴァロナ。ここって何の店?」
「まあそれはすぐに分かるとして・・・来るぞ。」

 それだけ言うとヴァロナは突然霊体化した(・・・・・)

「は――――」
「おい――――」

 突然の行動に二人が面食らった次の瞬間だった。

ドドドドドドドドドドドドドドド
バンッ

「ヴァロナちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっん!!!!!」

 ドゴォンッ!!

「ぎゃあああああああああああああ!!!!」

 扉の前に立っていた架が何者かのラグビーさながらのタックルで吹っ飛ばされ、向かいの壁にそのまま激突した。あまりの衝撃だったため、一瞬意識が飛びそうになったほどだ。ルイズに至っては「あ、え、」と、あんぐりと口を開けることしか出来ない。
 何せ突っ込んできたのは何処で鍛えてきたんだと言えるほどのガチムチのマッチョだったのだから。

「あら、よく見ると違うわね。でも抱き心地いいわ〜!ねぇ貴方お名前は!?」
「あ、あ〜・・・」

 自身が追いやったのにもお構い
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