暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
魅惑の妖精亭
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いった具合に納得はしていたようだが、いざ表に出るとすぐに音を上げることとなった。
 それから時間をかけて、服装については何とか説き伏せた。が、次の泊まる宿屋の話になると、そこからがまた大変だった。

「一泊200エキューですって!冗談じゃないわよ、二日で持ち金が尽きちゃうじゃない!」
「貴族も泊まるところとなるとそれくらいするんじゃないのか。もっと安いところに行かないと・・・。」
「そんな場所で寝れるわけないでしょう!」
「あのなぁ・・・」

 架は呆れるしかなかった。これが先ほどまで姫様のためにと言っていた人物とは思えない。貴族としてのプライドというのがルイズの主張なのだろうが、今という今は架からしたら邪魔くさくってしょうがなかった。

「このままでは埒が明かない。手分けして宿を探そう。」
「仕方ないわね・・・。」
「言っておくが、無駄遣いするなよ。」
「し、しないわよ!使い魔のクセに子ども扱いしないで!」

 どうだか・・・







 しかしながら、安い代金でルイズが納得してくれそうな宿など中々見つからない。日も傾きはじめたため、どうにかこれで我慢してもらおうという物件に当たりをつけ、待ち合わせの広場の噴水まで戻ってきた。
 噴水近くのベンチではルイズが既に待っていた。しかし、どことなく表情は暗い。お金の入った小袋を見てははぁ、とため息をついている。不審に思いながらも架はルイズに話かけた。

「ルイズ?」
「ひゃう!?カ、カケル!どう宿の方は見つかった!?」

 異常に驚くルイズ。更に持っていた小袋をササッと後ろに隠す。しかも別れる前に比べてかなり萎んでいるようにも見えた。
 まさか。と思った架はルイズ言ってみた。

「いや実はなルイズ。これならお前も大丈夫だろうっていう宿を見つけてな。しかも無理を言って少しの間だけ一部屋貸してもらえるようになったんだ。」
「ホ、ホント!?」
「ああ。5日で400エキューだと。破格だろう。」
「・・・・・」

 一度は浮かべた喜色の顔がそのまま張り付いたように固まった。架がじと〜、と視線を向けると顔を青ざめ視線がゆっくりと逸れていった。

「ルイズ。」
「何でもないわよ。」
「じゃあ後ろに隠した袋を見せてみろ。」
「う・・・」

 言われてもルイズは隠した物を見せようとしない。はあ、とため息を一つつくと、架は奥の手を使うことにした。

「ルイズ。」
「な、何でもないったら!」
「正直に言いなさい。」


「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」


 暫くの間、二人の周りだけ無言の空気が流れていた。露骨にしゃべろうとしないルイズは相変わらず目を背けたままだが、架はルイズから目を離さない
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