第174話
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い。」
「……言葉も無い。」
「アリオスさん……」
アリオスの話を聞いたダドリーは疲れた表情で呟き、エオリアは複雑そうな表情をしていた。
「……それでアリオスさんの奥さんとシズクちゃんは……」
「ああ……サヤの命は失われ、シズクの光は奪われた。」
複雑そうな表情をして呟いたティオの言葉を聞いたアリオスは重々しい様子を纏って頷き
「……アリオスさん。何故、一度は眼が見えるようになったシズクちゃんを退院させなかったのですか?あのまま眼鏡をかけていれば、普通の生活ができたのに…………」
「……あれは俺の”我”を通した愚かな結果としか言いようがない。シズク自身は満足していながらも、俺は満足できなかった…………その結果が以前の手術の結果だ。」
「……………………」
「……視力がわずかとはいえ、戻っただけでも”奇蹟”だというのに、欲を張ったからそのような結果になったのだ。」
自分の問いかけに答えたアリオスの答えを聞いたセシルは疲れた表情で黙り込み、ツァイトは厳しい表情で呟いた。
「……もしかして今回の事件を起こした原因の一つはシズクちゃんの眼を治す為ですか……?」
そしてエオリアは複雑そうな表情で尋ね
「……それも要因の一つにはある。シズクの眼を治すにはもはや”奇蹟”に頼るしかないのだからな…………その”奇蹟”を持っていながらも、特定の人物達の為にしか使わない”女神”もいるようだがな…………」
尋ねられたアリオスは答えた後真剣な表情でフェミリンスを見つめ
「……私に責任転嫁までするとはつくづく愚かな男ですわね。―――”神”は全ての人々に対して平等でなければなりませんが……”神”とて心がある存在。私がエステル達に助力しているのはあの娘達にあの娘達が生きている間では返し切れない恩があるだけの事。」
見つめられたフェミリンスは呆れた表情で答えた後真剣な表情でアリオスを見つめ
「なっ!?エステル達が”神”が”恩”と思うほどの事をしただと……!?」
フェミリンスの話を聞いたアリオスは信じられない表情をし
「”神”が特定の者達に助力するのはそれ相応の理由があるのです。元は一流の捜査官だったというのに、そんな簡単な事も推測できないとは………やはり己の欲の為に信頼を寄せられている者達を裏切り、邪悪なる道に走った愚か者ですわね。」
「……………」
フェミリンスに蔑まれ、厳しい表情でフェミリンスを睨んだ。
「あれから5年……両国の諜報機関が整備された事に加えて、メンフィル帝国まで関わって来た事で無為な破壊工作は無くなったが………数十年に渡る暗闇の結果、サヤたちと同じような被害者は少なからず出ていた。ロイド――――お前の両親や
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