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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
第173話
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シルは戸惑い

「ここがマクレインの内面……」

「無数の”(いまし)め”……ですわね……」

ダドリーとフェミリンスは真剣な表情で呟き

「……アリオスさんらしいわね。」

「……”風の剣聖”は一体どれほどのものを背負っているのだ……?」

エオリアは複雑そうな表情で、ヴィクターは重々しい様子を纏って呟き

「…………ったく……抱え込みすぎなんだっつーの……」

ランディは疲れた表情で呟いた。

「………………”赤の戦鬼”もケタ違いだったけど今度の相手は背負っている物が違う。多分……”鋼の聖女”以上に厳しい戦いが待っているはずだ。だが――――俺達もここで退くわけにはいかない。キーアを取り戻すためにも……全ての真実を明らかにするためにも。そして……シズクちゃんとの約束のためにも。俺達の全身全霊をもって剣聖の”領域”に挑もう……!」

そしてロイドは仲間達を見回して号令をかけ

「「「「「ええ……!」」」」」

「はい……!」

「おお……!」

「「うむ……!」」

「承知……!」

ロイドの号令に仲間達はそれぞれ力強く頷いた!

(遂にここまで……3年前のあの日に辿り着いた。兄貴……待っててくれ。あの日の闇を……きっと照らし出してみせる!)

そしてロイドは仲間達と共に探索を開始した!



〜同時刻・業の領域・最奥〜



「グッ…………!?」

ロイド達が探索を開始したその頃、気絶していたシグムントはうめき声を上げた後起き上がった。

「っつ!?……クク…………思ったより身体に響いているな……少し見ない内に随分と成長したものだ……」

起き上がったシグムントは身体に伝わる痛みを感じて口元に笑みを浮かべた。するとその時

「うふふ……さすがはカーリアンお姉さんと互角以上に戦った人の息子だけはあるわねえ?」

少女の声が聞こえてきた!

「!?」

声を聞いたシグムントが警戒の表情をしたその時、ズブリと音がした後シグムントの胸から大鎌の刃が生えた!

「……な…………」

自分の胸に生えた大鎌の刃を見たシグムントは呆け

「ゴホッ!?い、一体何が……!?」

口から大量の血を吐いて信じられない表情をして周囲を見回した。

「!?き、貴様は……”殲滅天使”!!い……いつの間に……俺の背後に……ガハッ!?」

周囲を見回したその時、自分の背後で自分の身体に大鎌の刃を貫かせている張本人――――レンを見たシグムントは目を見開いた後再大量の血を吐いた!

「クスクス♪本当に、アーツって便利よねえ?自分の姿を消す事もできるのだから♪おかげで、いくら戦闘で疲労しているとはいえ、あの”赤の戦鬼(オーガロッソ)”の背後を簡単に取れ
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