4話
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り柄がないのだ、と。」
そうだ、と佐天は自分の友達を思い浮かべる。
能力がない自分に哀れみではなく本当に純粋な気持ちで接してくれる自分の一番の親友
(初春.......)
「お嬢さんはお嬢さんであって他人じゃない。他人にはなれないんだ。だから、もし私があの人みたいだったら、とか考えるだけ無駄だ。あぁ、あの人のようになりたいと思うのは大いに結構だ。だけどな、これだけは忘れるな。お嬢さんにはお嬢さんにしかないものがある。たった1つないだけで自分を下に見るな。そんな安っぽい人間になるな。」
「う...うぅ...」
「あぁ...泣け泣け。涙と一緒に悪いもんも全部出しちまえ。」
よーしよし と垣根は佐天の頭を撫でる。
「ご、ごどもあづがい...ヒック...じないで...ぐだざいぃぃ」
「あぁ、そうだな。」
初対面なのに、なぜか垣根に撫でられている時は、涙が止まらなかった。
***
数分泣きじゃくった佐天は目元を拭う。
「もう大丈夫です。佐天涙子完全にふっかぁーつ!」
「おう」
「ありがとうございました。あー、と」
「あぁ、垣根帝督だ。お嬢さん」
「私は佐天涙子です!ありがとうございました!!垣根さん!」
「いやいや、なんもしてねぇよ。俺は」
「いえ、しましたよ。そりゃあもう!」
「いやいや、お、リーダー終わったのか?」
ちょうど廃ビルから八幡が白井を担いで出てきた。
「あぁ」
「し、白井さん!!大丈夫!?」
「ええ、この男に担がれているのが少々癪ですが」
「遠慮せずにお姫様抱っこでもしてもらったらよかったのに〜」
「なっ!?どういう意味ですの!?それは!!ちょッ!違いますわよ!?そんなことこれっぽっっっちも思ってませんわ!!こんな男ごときになんて...」
「ちょっと遠回しにおれをdisんのやめてくれない?まぁおれも無理だしいいけどさ」
「あの、比企谷さん」
突然呼ばれたことに疑問符を抱く八幡。何回疑問符抱いてんだ。
「あの、これ」
そう言って佐天がポケットから取り出したものは、なんの変哲もない音楽プレイヤーだった。だが、それがどういうものなのかはわかっている。
「幻想御手か...いいのか?これを見た以上もう使わせることはできんぞ?」
「ええ、いいんですよ。もう私には必要のないものですから。それに」
「能力が使えなくても、私の全てはそれだけじゃないですから!」」
にしし と、佐天涙子は笑った。
「そうか...ほれ、白井」
「え、えぇ。捜査協力に感謝しますわ佐天さん。」
「いえいえ」
「あ、もう歩ける程度には回復しましたので、おろし
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