4話
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「いえ...ただ、能力者はすごいなぁって」
「人に出来ないことを平然とやってのけて、私みたいな無能力者とは違うなぁって思いません?」
佐天は皮肉交じりに、自分を嘲笑するかのように呟いた。
「ふむ。で、お嬢さんはおれになんて言って欲しいんだ?」
「え...」
瞬間、佐天の思考が止まる。やめろ その先を言うな と訴えるように。
「何も言わないのならおれなりに返答をしてやる。」
「お嬢さんは自分が無能力者だということを卑下している。つまり、お嬢さんが抱いている感情は妬みだ。」
「そんな...こと」
「お嬢さんは嫉妬しているんだよ自分を気にかけてくれる友人に、自分を助けてくれる先輩に、自分より立派だと思っている能力者に。」
ちがう、という言葉は出すことが出来なかった。なぜならそのとおりだったからだ。
超能力者になると豪語して学園都市に移り住んだというのに、いつまでたっても能力は発現せず、才能がないことを突きつけられ、周りの能力者達に劣等感を抱く。
だからこそ、佐天は幻想御手に手を出したのだ。
黙りこくる佐天を見て垣根はフッと笑う。
「だけど、その感情は人間が誰しも抱く感情だ。あいつより上でいたい。あいつより下になりたくない。見下されたくない。敗者でいたくない思うのは人間としては当たり前のことだ。」
その言葉に佐天は目を見開く。当然だ。嫉妬を目の前の男が正当化したからだろう。
「それにおれは能力者が誰しも立派なんてこと思ったことはない。さっきの能力者もまた然りだ。」
「それでも、悪い感情には変わりないんじゃ...」
「あぁ、そうだな。妬みは悪い感情だ。だから、誰しもそう思いたくないと思って目を反らすんだ。しょうがないと思ってな。」
「おれは高位能力者だ。だが、俺は俺自身立派なんて思ったことはない。結局は同じなんだよ。能力者も無能力者も。ただそこに色付けとして、能力があるかないかだけの差だ。」
本当に何でもないように、そう言い切る。それが佐天は頭にきた。そんなことが言えるのも、結局は能力があるからだ。
「だけど、その差が大きいから!!こうやって悩んで悩んで悩んで悔やむんじゃないですか!!!!なぜ私には能力がなかったのかと!!なぜ私は彼女のようになれないのかって!!」
頭に浮かぶのは御坂美琴。
ーーそうだ、わたしは彼女のようになるためにこの学園都市に来たんだ。
「あぁ。ないものはないんだ。なら、今後の人生でどう自分を色付けしていくか悩め。お嬢さんの人生の終点は今じゃない。その差だけで自分の価値を決めるな。お嬢さんのお友達もお嬢さんを卑下するよな扱いはしないだろう?もし、する奴がいるなら、逆に見下してやれ。あいつは能力しか取
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