3話
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「ほら、目!塞ぐ!!」
「お、おう」
つか、俺とお前まだ二回ぐらいしか会ってないぞ。もう敬語忘れてんじゃん。まぁいいけどさ
***
木山と別れた帰り道、佐天はさっきの会話を思い出していた。
(使用者は...意識不明...)
そう、幻想御手という代物はただただレベルを上げるだけの都合のいい代物ではなかったのだ。
(でも、死ぬわけでは...ないんだよね)
それでも、佐天は希望を捨てない。現実を見ない。せっかく手に入れた唯一の希望なのだ。それが、まったくもって自分の思う通りの物じゃなかったということを信じたくないのだ。
今まで散々惨めな思いをしてきた。確かに、周りの能力者である友人は無能力だからといって佐天を疎かにするわけではなく、何も変わらず優しく接してきてくれた。だが、逆にそれが佐天の心を締め付けた。皆が、
優しすぎたのだ。
「佐天...だったか?」
急に呼ばれたことに、ハッとしながら佐天は八幡の方へと向いた。意識はどこか別のとこにあるようだった。
「.....比企谷さん?どうしたんですか?」
「幻想御手...持ってるなら回収するぞ」
「っ!?...持って...ませんよ」
急に、幻想御手のことを話題に出され思わず固まる佐天。それに、八幡は言葉を重ねた。
「お前もさっき聞いただろう。使ったら100%の確率で意識不明になるぞ。まだ使ってないんなら今のうちに渡しとけ。」
「だから、持ってませんって。」
「ならさっきまでの挙動はおかしすぎるだろう。幻想御手の話題が出た途端態度変わりすぎだ。だれにも言わねぇからほら」
「持ってないって言ってるでしょ!!」
それを言い残し、佐天は走って行った。
「......やっぱだめか。俺にはこんなのは無理だな」
八幡を照らすように、鉄橋の後ろの夕焼けがこちらを覗いた。
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