ヘリコプター解説(日本編)2
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テールローターは8枚ブレードで、低空飛行時に樹木などと接触する危険を減らすためにダクテッド方式(機内埋め込み式)を取り入れ、ブレードは騒音を抑えるために不等間隔に配列している。この方式は仏アエロスパシアル(現エアバス・ヘリコプターズ)の特許であることがOH-X構想当初の懸案であったが、実機の製作段階で特許の期限(20年)が過ぎたため、
無料で使用できることとなった。
観測に重要な空中静止装置は大変優れており、パイロットは空中で手を放していても自動でバランスを取ってホバリングしていられる。エンジンも強力で、無関節ローターハブのもたらす運動性と合わせて、機首を上に向けての垂直上昇、80度での急降下、宙返り、後ろ向き宙返りなどのアクロバット飛行も可能である。
OH-1の開発チームは、独自のローターハブ構造が評価され、
優秀なヘリコプター開発者に贈られるアメリカの権威的なハワード・ヒューズ賞を、アメリカ以外のプロジェクトではじめて受賞した。
観測機として最重要能力である偵察機構は、後部座席上部に設置された索敵サイトである。AH-1SやAH-64Dが機体先端に設置されているのに対し、OH-1はコックピット上部にあるため、敵から見えない木陰などに身を隠して偵察できる。サイトは赤外線センサー、可視光線カラーテレビ、レーザー距離測定装置が一体化したもので、敵上陸地点を昼夜問わずに監視できる。コックピットは2基のカラー液晶多機能ディスプレイとヘッドアップディスプレイで構成される。また、コックピットには任務適合性の高いアビオニクス統合システムを採用した。
搭載エンジンは三菱重工業が開発・製造したTS1-10ターボシャフトエンジンである。1段圧縮機と1段出力タービンで構成され、出力は884軸馬力(shp)である。
OH-1ではTS1を2基搭載している。前述のように、垂直上昇、
80度での急降下、
宙返り、後ろ向き宙返りなどのアクロバット飛行が可能な力を持つが、馬力自体は大きくないので、
重量増につながる重武装はできない。
三菱と技本により、
定期修理間隔を延長するフォローアップ研究が行われ、耐久性、
燃料消費率が向上し、出力も990軸馬力(shp)になったTS1-10Aが開発されている。
固定武装はないが、
胴体両側の安定翼下のハードポイントを介して、91式携帯地対空誘導弾(SAM-2)を転用した自衛用の短射程空対空ミサイルを、箱型の2連装ランチャーに搭載して4基(左右2基ずつ)装備することが可能で、ヘリコプターなどに発見された場合は、ミサイルで自衛攻撃できる。また、
翼下には増槽2基を標準装備する。
2005年(平成17年)には、翌年導入のAH-64D
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