SIDE:A
第九話
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ちゃん、いくらなんでもそれはないよ〜」
「やれやれだぜ」
汐音のジト目に呆れたように首を振るシカマル。あれ、そこまでダメだった?
でも緊張は解れたようだし、結果オーライということで許してください。
「頑張れヒナタ」
「頑張るってばさ!」
「う、うんっ!」
俺たち兄妹に背中を押されたヒナタは気合いの声上げた。
相手のタラはヒナタと同じくらいの身長の女の子だ。少し釣り目で気が強い印象を受ける。
対面した二人は礼がするとイルカ先生が手を振り上げた。
「始めっ!」
イルカ先生の手が合図とともに振り下ろされると同時にタラが仕掛けた。
「はっ!」
そこそこのダッシュ力で接近するとヒナタの鳩尾に突きを繰り出す。なかなか綺麗な突きだ。しっかり体重も乗ってるし。
対するヒナタは落ち着いて対処する。冷静にタラの突きを右手でいなすと踏み込むと同時に左の掌打を繰り出した。
「やぁっ!」
「くぅ!」
(ほぅ、今のよく防いだな)
カウンターの形で放たれたタイミングは完璧だった。しかしタラは反対の手でギリギリ防ぐことに成功した。
互いに間合いの内。一瞬、相手の出方を伺うように空白の間が生じる。
先に動いたのはタラだった。
「ふっ!」
腰を活かした回し蹴り。綺麗に弧を描いた蹴りをしゃがんで回避すると、軸足を蹴りで払った。
それをジャンプして避わすと、空中で一回転して踵落しを決める!
素早く飛び退ってそれを回避した。
「……強いな、あのタラ」
「だな。あそこまで動ける子がいるとは正直思わなかったよ」
クールを地でいくシノが感心したように呟いた。
ヒナタは日向の宗家の出であるから幼少の頃から厳しい修行を受けてきた。そのため実力は同世代の女子の中では明らかに上位に位置するだろう。
そんなヒナタを相手に一歩も引かない戦いを繰り広げているあのタラという少女。なかなか鋭い攻撃を出すし、入学前から練習を積んでいたんだろうな。
しかし、やはり実力はヒナタの方が上のようだ。
「やぁ!」
「あぅっ」
飛び退った反動を利用して勢いよく飛び出し間合いを積める。タラは着地した隙をつかれる形になったため反応が一瞬遅れた。
それが勝敗の分かれ目となった。
放たれた掌底がタラの額を打った。大きく仰け反り、体勢を崩す。
尻餅をつく形になったタラ。ヒナタが大手を掛けるように掌底が眼前で寸止めされた。
「そこまで! 勝
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