・・・あれ?
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たその時、
パシッ
脇から現れた人影がそれをかっさらっていく。
「え?」
リング目掛けて飛んでいたのは自分だけだったはず・・・そう思っていたシェリアは、突然現れた手の主にびっくり顔を晒しながらゆっくりと重力に従い落下してくる。
「え?」
俺の真上に。
ドスンッ
「きゃっ!!」
「イタッ!!」
胸から倒れるようにのし掛かってきた少女の重さに腰が砕けそうになった。別にシェリアが重いと言いたいわけではない。ただ、あれだけ高いところから落ちてきたら相当なダメージが与えられるのは言うまでもないだろう。
「ご・・・ごめんシリル・・・」
「そう思うなら早くどいて」
俺に乗っかったまましばらく倒れ込んだままの少女にそう言うと、彼女は地面に手をついて立ち上がる。押さえ付けるものがなくなったため、体の自由を手にいれた俺も彼女同様に立ち上がり、リングを奪い取った男の方へと視線を向ける。
「何やられてんだよ、ユウガ」
「悪い、タイガ」
空中に飛んでいたリングを握り締め、鼻血を出しているユウガさんに声をかけている大柄な男性。その人は背も高く、筋肉がガッチリとついており、エルフマンさんを思わせるような人物だった。
「待ってください〜!!」
「逃げるなぁ!!」
増えた敵に向かい合っていると、後ろから慣れ親しんだ少女たちの声が聞こえてきたので、そちらに振り返る。曲がり角になっている場所から長い髪を乱しながらやって来たのは、別行動を取っていたウェンディとソフィアだった。
「ウェンディ!!」
「え!?シリル!?」
まさかこんなところで会えるとは思ってなかったので驚きを隠せない。俺とシェリアの姿を見つけた彼女たちは、走っていた足を緩め、目の前に来るとそれを完全に止める。
「シリル!!シェリア!!あのデカイのにリング盗られちゃった!!」
「「え!?」」
俺とウェンディの間に割って入ってきた銀髪の少女が前を指さす。そちらを見ると、さっきタイガと呼ばれていた人物の腕に、たった今俺たちから奪ったものとは別のリングがはめられていた。
「せっかく見つけたのに盗まれちゃったの!!」
「しかも一瞬のうちに!!」
どうやら彼女たちも俺たちと同じようにトレジャーハンターとリングをかけて戦っていたらしい。そしてそこからの結末もほぼ同じ、気がついたら手にいれたはずのそれを彼らに奪われていたらしく、ここまで追い掛けてきたというわけだ。
「これでこっちは五つリングが揃ったぜ」
これ見よがしに不意をついて手にいれたリングを見せてくるトレジャーハンター。だけど、その言葉には一つ疑問が残った。
「え?三つしか持ってないじゃん」
ユウガさんの腕に元々はめられていたリング
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