・・・あれ?
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っ!!」
「うおっ!!」
リングを持っている相手の手首を掴み、なんとか離そうと奮闘していると、後ろから味方である少女が飛び蹴りを噛ましてくれたため、トレジャーハンターは体勢を崩してその場に倒れる。
「ぎゃっ!!」
だが、それでも向こうは腕を離してくれなかったため、俺も一緒になって倒れていたが。
「シリルから手を離しなさいって!!」
「断る!!」
倒れたままなおも俺のリングを奪い取ろうとしてくる男の腕を掴み、引き離そうとしてくれるシェリア。しかし、ここは意地でも負けるわけには行かないと男も腕を掴む手により力を入れており、俺が一番被害を被っているかもしれない。
ザワザワ
すると、俺たちの周りにたくさんの人たちが集まってくる。そりゃそうか、こんな子供と大の大人が掴み合っていたら、心配になって見に来るのは当たり前である。
「ゲーム大会だから!!競技中だから!!」
周囲から冷ややかな目で見られているのを感じ取ったトレジャーハンターは大慌てで弁明する。それを聞いた街の人たちは納得したように返事をすると、バトル競技と勘違いしているらしく、自分の好きな方を応援し始める。
「頑張れシェリア!!」
「ユウガ負けるな!!」
「シリルちゃん可愛い!!」
「結婚して!!」
なんか明らかにおかしな声が聞こえたような気がしたが、聞こえなかったことにしてその場を乗り切る。目の前のトレジャーハンターさんはユウガさんと言うらしい。まぁ、名前がわかったからどうこうできる問題でもないんだけど・・・
「くっ・・・」
「そうだ!!」
さすがに大人と子供では力に差があり、逃げ切ることができそうにない。その時、シェリアがあることを思い付き、自身の手をあるところへと伸ばす。
「チッ!!」
その刹那、ユウガさんが舌打ちをしながら意地でも離さなかった手を離し距離を取る。なぜそのような行動を取ったのかわからなかった観衆は、不思議なものを見るようにユウガさんの方を見ていた。
「サンキューシェリア」
「ううん。手、大丈夫?」
「うん、大丈夫」
助けてくれた少女にお礼を言いつつ、掴まれていた部分に視線を落とす。そこは相当強く握られていたらしく、ハッキリと手形が付いていた。
「くそっ・・・」
対して悔しそうに歯軋りをさせている青年は、手首から落ちそうになっていた腕を元の位置へと戻していく。シェリアが狙ったのは、彼が付けているリング。これに手を伸ばされたら当然逃げなければならないし、万一反応しなかったら奪い取って自分たちのポイントにしてしまえばいい。攻撃は最大の防御とは、よくいったものだ。
「これ行けそうだね」
「うん!!俺もそう思う」
互いに視線を交わし、一度大きくうなずく。相手
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